解析学U

授業科目区分

専門科目
専門科目 数学教育コース

まちラボとわくらぼの使用について:使用しない
選択科目 2単位 3年次 後期

教職課程(数学)選択.


担当教員

藤田真依

研究室のホームページ,SNSなど

NDC

413

科目分類コード

4703/2/5

オフィスアワー

この科目のキーワード

数列,級数,関数列,一様収束,各点収束,べき級数,フーリエ級数,微分方程式の解法.

到達目標

本授業では無限級数について学び,微分積分学TU・解析学Tで学んだ直観的な極限概念を,厳密な定義で理解することを目指す.本授業は必修ではないが,微分積分学からさらに高度な数学(解析学)への橋渡しの役割を果たすので,積極的な受講を期待する.

授業の簡単な概要

本授業では無限級数について基礎的な事柄を学ぶ. 前半1/3では,数列・級数の厳密な収束に慣れることを大きな目標とし,続く1/3では,高校では扱わない各項が関数である関数列の収束とその級数を扱う.最後は級数の応用にも触れたい.高校までの数学との違いに触れることで,それまでの理解を確かなものにして欲しい.

学習内容

  1. 数列の収束:ε-N論法で数列の収束を定義し,その証明方法に親しむ.
  2. 級数の収束:ε-N論法で級数の収束を定義し,その証明方法に親しむ.
  3. 定数項級数@:等比級数の収束について学ぶ.
  4. 定数項級数A:正項級数の収束について学ぶ.
  5. 定数項級数B:交項級数の収束について学ぶ.
  6. 定数項級数C:級数の絶対収束と条件収束について学ぶ.
  7. 中間テスト::中間テストを行う.
  8. 中間テストの解説:中間テストの解説を行う.
  9. 関数項級数@:関数列とその一様収束性と各点収束性について学ぶ.
  10. 関数項級数A:一様収束する関数列の性質について学ぶ.また,一様収束級数について,項別微分と項別積分について学ぶ.
  11. べき級数:べき級数を導入し,その収束について学ぶ.また,べき級数で定義された関数について学び,べき級数展開についても触れる.
  12. フーリエ級数:フーリエ級数について学び,いくつかの関数をフーリエ級数展開してみる.
  13. 応用@(べき級数による微分方程式の解法):常微分方程式について簡単に説明し,これまでの応用としてべき級数による解法に触れる.
  14. 応用A(フーリエ級数による微分方程式の解法):熱方程式について簡単に説明し,これまでの応用としてフーリエ級数による解法に触れる.
  15. 期末テスト:期末テストを行う.
  16. 期末テストの解説:期末テストの解説を行う.

授業時間外での学修

授業中に書き写したメモ・ノートの全内容を,授業後,頭の中で授業を再現するようにもう一度書き起こし清書すること.その際自分の中で詰まったり,スラスラ説明出来ない箇所を発見した場合は,質問に行く・図書館で調べる等して,確実に解消出来るように努めること.

成績評価の基準と方法

・任意と存在の違いを,他者に分かりやすく説明出来ること. ・定義を正確に述べることが出来ること. ・定義に基づいた証明が出来ること. ・ある数学的対象(集合や写像)が与えられたとき,それが求められている性質を満たすかどうかを,定義に沿って確認することが出来ること. ・求められている性質を満たさない反例を挙げ,その理由を説明することが出来ること.

達成度評価(評価方法:合計100点)

試験:      期末テスト40点 / 100
レポート:    / 100
小テスト(中間テストなど含む): 中間テスト40点 / 100
小レポート(中間レポートなどを含む): / 100
作品:      / 100
ポートフォリオ: / 100
その他:

20点(講義の中で行う演習の発表と質疑応答の内容).

教科書・テキスト

三宅敏恒「入門微分積分」(培風館). 教科書は必ずしも購入の必要はないが,何か一冊を軸に学ぶことを勧めるので,本書を指定する.

参考図書・参考文献等

難波誠「微分積分学」(裳華房),水野克彦「解析学」(学術図書出版社),佐藤恒雄「初歩から学べる微分方程式」(培風館),新井仁之「フーリエ解析と関数解析学」(培風館).

履修もしくは取得していなければいけない科目

微分積分学TU,線形代数学TU,集合論入門,解析学Tを履修していることが望ましい.

学習支援

講義中の質問だけでなく,オフィスアワーやそれ以外でも随時質問を受け付ける.また,自主レポート・演習ノート等の提出を推奨する.各自が熱心にレポート・ノートを作成することで,授業に対する理解を深めてほしい.詳しくは,初回授業で説明する.

その他この科目を履修するために必要な条件

微分積分学TU,線形代数学TU,集合論入門,解析学Tで扱った内容に対する理解.特に,集合論入門で学んだ任意・存在に関する理解.