経済ビジネス特講A
Advance Topics in Economics and Business Administration

授業科目区分

専門科目
専門科目 メディア表現コース, 専門科目 地域と社会系

まちラボとわくらぼの使用について:使用しない
選択科目 2単位 2〜4年次 前期


担当教員

田村 龍一

研究室のホームページ,SNSなど

NDC

331/335/338

科目分類コード

7030

オフィスアワー

この科目のキーワード

行動経済学 経済学 心理学 非合理的な行動 時間選好 リスク選好 社会的選好 さきのばしと後悔 フレーミング アンカリング 「幸せ」 ナッジ

説明に使用する言語

主として日本語を使用する

使用する教材の言語

日本語・英語で記述された資料を使用する

この科目に必要な日本の文化・事情の知識について

到達目標

伝統的経済学と行動経済学の違いを理解し、社会における人間の非合理的行動を記述するための行動経済学の諸理論について、私たちの日々の生活を思い出しながら、楽しく学習する。

授業の簡単な概要

社会における人間の行動は「経済学」により精緻に数理モデル化され、このモデルの理解によって私たちは社会全体を理解する手段を得ることができます。 一方で、定期試験日やレポート提出期限が迫っているのに、私たちはどうして直前まで勉強や作業をさきのばししてしまうのでしょうか。「朝三暮四」という古い諺がいまでも使われているのはなぜでしょうか。「お金やキャリアだけが人生じゃない」なら、「人生の幸せ」とはどのように考えることができるのでしょうか。これらの諸問題の根っこには人間の「非合理性」があり、「合理性」を仮定する伝統的経済学ががうまく扱うことができないのです。この問題意識のもと、心理学や社会実験での成果を取り入れて人間の社会行動の非合理的な部分の説明を試みようとする「行動経済学」が出現しました。この授業では、私たちの日々の生活の「非合理的」な部分を適宜思い出しつつ、行動経済学がこれらをどのように理論化して、社会に対するより深い理解を提供しているかを学習していきます。

学習内容

  1. イントロダクション:行動経済学とは何か
  2. 人の行動の合理性と非合理性
  3. ヒューリスティックス
  4. 時間選好(1):考え方
  5. 時間選好(2):先のばしと後悔
  6. リスク選好:期待効用仮説
  7. プロスペクト理論
  8. 社会的選好
  9. お金に関する経済心理(1):メンタルアカウンティング
  10. お金に関する経済心理(2):「無料」の価格に
  11. 行動ファイナンス(1):効率的市場仮説とその反証
  12. 行動ファイナンス(2):投資家の心理
  13. 幸福の経済学(1):その目標と「幸福」の定義
  14. 幸福の経済学(2):相対的所得仮説と幸福のパラドックス
  15. ナッジ
  16. 定期試験

授業時間外での学修

本授業で扱われるトピックは日常生活でも頻繁に目にしたり、自分自身が経験することも多い。授業で得た考え方と知識を、日々の生活の各局面で確認してみる習慣をつけておくことをおすすめする。

成績評価の基準と方法

S: 従来の経済学と行動経済学の守備範囲の違いを明確に理解し、時間やリスクに関する選好構造についてこれらの学問領域の間の関係が理解できており、これらが反映された現実社会の制度を理解できる。 A: 従来の経済学と行動経済学の守備範囲の違いを明確に理解し、時間やリスクに関する選好構造について、自身の言葉で説明をすることができる。 B: 従来の経済学では説明が難しい幾つかの社会現象について、その内容と原因について行動経済学の用語を用いて説明することができる。 C: 行動経済学が何を目的としている学問であるかを知り、いくつかの重要な概念について理解がある。

達成度評価(評価方法:合計100点)

試験:      / 100
レポート:    60 / 100
小テスト(中間テストなど含む): / 100
小レポート(中間レポートなどを含む): 40 / 100
作品:      / 100
ポートフォリオ: / 100
その他:

教科書・テキスト

講義資料を配布する。

参考図書・参考文献等

「行動経済学入門」筒井義郎他著、東洋経済新報社

履修もしくは取得していなければいけない科目

なし。

学習支援

オフィスアワーでの来室による質問、および時間外でのメールでの質問を歓迎する。

その他この科目を履修するために必要な条件

「経済学」の履修が望ましいが、講義中にも従来の経済学のキー概念の説明を行う予定である。