海洋生態学
Marine Ecology

授業科目区分

教養科目
教養科目 自然科学系

まちラボとわくらぼの使用について:使用しない
選択科目 2単位 2年次 後期


担当教員

佐野 稔

研究室のホームページ,SNSなど

NDC

460

科目分類コード

オフィスアワー

時間割決定後に授業等で連絡します。

この科目のキーワード

説明に使用する言語

主として日本語を使用する

使用する教材の言語

日本語で記述された資料を使用する

この科目に必要な日本の文化・事情の知識について

日本の文化・事情の知識を前提とする内容である

到達目標

 充実した社会生活を送るのに必要な幅広い知識と教養の一つとして,基本的な海洋生態学を身につけることを目標とする。具体的には,生態系サービス,海洋の生態系,水産資源に関する講義を通して,各個人が海洋生態系に関する基礎的知識を理解し,習得できるようになる。また,海洋生態系の保全の重要性を認識し,日頃から環境問題に対する関心を向上できるようになる。

授業の簡単な概要

 本講義では,まず海洋生態系から多くの生態系サービスを享受している日本の水産業の現状を紹介する。次に概論として生態系が人間の福利にもたらすサービス,その現状から生態系を保全する理由について説明する。そのうえで,海洋の基本構造,構成生物などの基本事項を確認したうえで,外洋域,沿岸域の生態系の特徴について具体的な事例を踏まえながら紹介する。最後に海洋生態系からのサービスを持続的に受けるために調査研究事例として,水産学の分野で取り組まれている水産資源管理や海洋環境の保全に関する調査研究や技術開発の具体的な事例について紹介する。

学習内容

  1. 日本の水産業: 海洋生態系のガイダンスとして,海洋と人間社会と最も密接な関係のある水産業について理解を進めるために,最新の水産白書をもとに,日本の水産業の現状と課題について説明を行う。
  2. 生態系サービスとは: 2000年以降に新たに作られた概念である生態系サービスについて,そのような考え方が出てきた背景,各生態系サービスの定義および生態系サービス間の関連を解説する。
  3. 地球上の生態系サービスの現状と動向: 生態系サービスの現状について,「国連ミレニアム エコシステム評価 生態系サービスと人類の将来」をもとに具体的な事例を紹介する。
  4. 海洋の構造: 太平洋の基本的な海流パターンと,各海流系の特徴ならびにそれらの生産力に違いをもたらす海洋学的なメカニズムについて解説を行う。
  5. 海洋生態系を構成する生物: 海洋生態系を構成する基本的な基礎生産者,消費者について,その生物の形態的,生態的特徴を踏まえながら紹介する。
  6. 外洋域生態系の特徴: 海洋における様々な生態系の生産力の比較から各生態系の基本的な特徴を説明する。それを踏まえて外洋域生態系の主要な一次生産者の特徴と主要となっている理由について説明を行い,それをもとに外洋域生態系の基本的な構造,物質とエネルギーの流れについて紹介する。
  7. 沿岸域の生態系の特徴: 沿岸域生態系が外洋域生態系よりも生産力が高い理由について,一次生産者の特徴と栄養塩供給のメカニズムから解説する。
  8. 水産資源管理について: 水産資源の性質を示し,水産資源の過多な利用により陥りやすい乱獲の発生機構にについて解説を行う。さらに,北海道における水産資源管理の成功事例の紹介を行う。
  9. 学習の理解促進のための予備試験時間: 第1回から第8回までの授業内容の理解を促進するために,予備試験を実施する。なお,予備試験は成績評価の対象とする。
  10. 予備試験の回答について解説する。
  11. 沿岸漁場の生産性を低下させる磯焼け現象の定義を解説して,その発生,持続機構について説明を行い,その対策事例を紹介する。
  12. 現在,北海道立稚内水産試験場で取り組んでいるタコ類の資源管理技術開発について,タコ類の生態,調査研究の実態,開発事例について紹介する。
  13. 地理情報システム(GIS)が近年水産資源管理の現場にも導入が進んでおり,導入に至る技術開発や実用化に向けた取り組みについて紹介を行う。
  14. 学習の進捗調整のための予備授業時間
  15. 学習の進捗調整のための予備授業時間

授業時間外での学修

授業終了後に、その日の授業内容について復習し、理解と定着に努めること。

成績評価の基準と方法

達成度評価(評価方法:合計100点)

試験:      70 / 100
レポート:    / 100
小テスト(中間テストなど含む): / 100
小レポート(中間レポートなどを含む): / 100
作品:      / 100
ポートフォリオ: / 100
その他:

平常点30 授業の履修態度等を総合的に判断し、評価する。 試験は,授業をもとにした内容であるため,授業内容をノート等に書き留めて十分に理解を深めること。

教科書・テキスト

使用しない

参考図書・参考文献等

『国連ミレニアム エコシステム評価 生態系サービスと人類の将来』,横浜国立大学21世紀CEO翻訳委員会 責任翻訳,オーム社,東京,2500円 『水産海洋ハンドブック』,竹内俊郎,中田英昭,和田時夫,上田宏,有本貴文,渡辺終五,中前明編,東京,8925円 『生物海洋学入門 第2版』、Carol M. Lalli and Timothy R. Parsons(監訳=關文威、約=長沼毅)、講談社、東京、3900円

履修もしくは取得していなければいけない科目

特になし

学習支援

その他この科目を履修するために必要な条件