自然科学I
Natural Science I

授業科目区分

教養科目
情報メディア基礎・教養科目 自然科学系

わくラボの使用について:使用しない
選択科目 2単位 3年次 前期


担当教員

浅海 弘保

研究室のホームページ,SNSなど

NDC

430

科目分類コード

32010 32020 33010 33020 34010 34020 34030 35010 35020 35030 36010

オフィスアワー

時間割決定後に授業等で連絡します。

この科目のキーワード

構造化学、 電子状態、化学反応、溶液、理論化学、構造有機化学、反応有機化学、有機合成化学、溶液科学、触媒、溶液化学

説明に使用する言語

主として日本語を使用する

使用する教材の言語

日本語で記述された資料を使用する

この科目に必要な日本の文化・事情の知識について

到達目標

この講義では、我々の身のまわり・生活の中の化学について学ぶ。断片的な知識を暗記するのではなく、高等学校の化学で学んだ知識を基礎にして、我々に身近な化学的現象がなぜ起こるのか体系的に説明できるようになり、「化学はおもしろい」と思えるようになるのが目標である。
特に化学の予備知識なしに学習を始めても基本的な知識と考え方が身につくようにする。

ディプロマポリシーとの関連性

情報メディア基礎力:情報メディアの技術的および社会的な変化に対応し得る基盤となる知識とスキル

授業の簡単な概要

この講義は化学を全く学習したことのない人や、少し学んだことはあるが改めて学習し直し知識を確実なものにしたい人などが主な対象である。
化学の理解に必要な基礎知識を全15回にわたって講義する。この講義では物質の成り立ちとふるまいを解説し、それらを通じて化学そのものを学ぶとともに化学的なものの見方・考え方を学習する。

学習内容

  1. オリエンテーション(化学の世界)
    自然科学の中で化学は自然界のさまざまな物質に対する見方・考え方にもっとも大きな責任をもっている学問であるといえる。物質の成り立ちとふるまいを理解し、利用するための化学の方法論・基礎的概念を学ぶ。
  2. 物質とは?〜原子の構造と性質〜
    元素の周期律が原子核の周りに存在する電子の配置に関係することを学ぶ。また、原子番号順に元素を並べたとき、周期的な性質の変化が見られる例として電子親和力、イオン化エネルギーをとり上げる。
  3. 物質とは?〜原子の結びつき〜
    原子やイオンどうしが結びついて結合ができる仕組みを学ぶ。また、イオンからなる物質や金属の構造、化学組成を示す組成式と式量の使い方などを学習する。
  4. 物質の状態 〜固体、液体、気体〜
    我々の身近にある水の性質をとりあげ、物質には固体、液体、気体の三態があることを密度や粒子の運動と結び付けて学ぶ。
    気体の諸法則を学び、理想気体と実在気体の違い、分子間力と融点・沸点との関係、蒸気圧と沸点の関係について理解する。
  5. 溶液とその性質
    液体(溶媒)に他の物質(溶質)が溶け込んでできる溶液の基本的性質について学ぶ。また、溶液と関連して、コロイドの種類と性質について学ぶ。
  6. 化学反応と熱の出入り
    熱エネルギーの授受と温度の関係を学習し、化学反応にともなって出入りするエネルギー(反応熱)に関連し、熱化学方程式とヘスの法則について学ぶ。
  7. 酸性・アルカリ性
    酸と塩基との反応は化学の基本反応の一つである。酸・塩基と関連する酸性とアルカリ性(塩基性)あるいはpHについて学び、酸と塩基との反応である中和反応や反応の結果として生成する塩の性質について学ぶ。
  8. 燃焼・錆・電池〜酸化還元〜
    生活における気体・液体・固体の燃焼をとりあげ、燃焼反応とはどんな反応なのかを学ぶ。 酸化還元反応も酸・塩基の反応と並んで重要な化学の基本反応である。酸化還元は物質の燃焼、金属の溶解やさびの発生、電池の中の反応などわれわれの生活と密接に関係する現象である。酸化還元反応が電子の授受によって理解できることを学ぶ。
  9. 化学反応の速さと平衡
    化学反応の速さが、触媒、濃度、温度、圧力によって変わることを学ぶ。また、逆向きの反応が同時に起こる場合について、化学平衡の法則と平衡の移動を学ぶ。
  10. 金属元素の単体と化合物
    周期撫繧フ元素の約80%が金属元素である。金属元素は典型金属元素と遷移金属元素に大別することができる。これら金属元素の単体(金属)と化合物の性質や用途について学ぶ。
  11. 非金属元素の単体と化合物
    非金属元素は水素を除いて周期浮フ右側上方にある元素で、それ以外の元素はすべて金属元素である。ここでは非金属元素の単体と化合物の性質を学び、それぞれの元素のもつ個性を知る。
  12. 有機化合物とその構造 −炭化水素−
    炭素は様々な元素と共有結合を作るので、炭素を中心元素とする化合物(有機化合物)の数は驚くほど多い。有機化合物を考える上で基礎となる炭化水素分子の結合の様式、立体構造、運動、基本的な反応について学ぶ。
  13. さまざまな有機化合物、
    アルコール、エーテル、ケトン、カルボン酸、アミンなどのように、炭化水素の水素を窒素、酸素、ハロゲンなどの原子やグループで置換した有機化合物の性質について学ぶ。
  14. ベンゼンとそのなかま
    べンゼンやポリアセチレンのように分子内を広く動きまわる電子(π電子)をもつ一群の有機化合物がある。これらの性質と反応の特徴を理解し、電気を通す有機化合物がどのようにして生まれたかを学ぶ。
  15. 現代の化学とこれから
    空気の化学と地球環境の化学について、現在の空気の成分はどのようにして生まれたのか、宇宙の始まりから地球上での生物の誕生までを追って解説し、大気中の二酸化炭素濃度が上昇すると、なぜ「地球が温暖化する」と言われるのか説明する。
    高分子化学の基礎を学び、私たちの日常生活を支える合成繊維、プラスチックなどの化学工業製品はどのようにしてつくられるのか、化学の知識がどのように応用されているのかを理解する。さらに、持続可能な社会をつくるためのこれからの化学の役割を考える。

授業時間外での学修

LMS上の確認問題・練習問題に取り組む

成績評価の基準と方法

(S)キーワードに記された各領域の考え方を正しく理解し、多様な環境下における各領域の問題に対して、適切に応用することができ、多様な問題を解決できる。
(A)キーワードに記された各領域の考え方を正しく理解し、各領域の問題に対して適切に適用し、関連する問題を解決できる。
(B)キーワードに記された各領域の考え方を概ね理解し、学習内容と関連付けて、学習内容に関連する具体的な問題に考え方を適用して、問題を解決できる
(C)キーワードに記された各領域の考え方を概ね理解し、学習内容と関連付けて、学習内容に関連する具体的な問題に考え方を適用できる。

達成度評価(評価方法:合計100点)

試験:      試験: 60 / 100
レポート:    / 100
小テスト(中間テストなど含む): 15 / 100
小レポート(中間レポートなどを含む): 10 / 100
作品:      / 100
ポートフォリオ: / 100
その他:

授業内での質疑応答:15

教科書・テキスト

初歩からの化学 (荻野 博)

参考図書・参考文献等

基礎化学 (荻野 博)環境と人にやさしい化学(田中 春彦)

履修もしくは取得していなければいけない科目

特になし

学習支援

対面講義(実験映像含む)、LMS上の資料、LMS上の課題

授業に関連する実務経験

その他この科目を履修するために必要な条件

特になし