数学科教育法III
Mathematics Teaching MethodologyIII

授業科目区分

教職課程専門科目
教職課程専門科目
地域志向科目
わくラボの使用について:使用しない
教職課程科目 2単位 3年次 前期

教職課程(数学)必修

担当教員

佐藤元彦

研究室のホームページ,SNSなど

NDC

375/376

科目分類コード

オフィスアワー

時間割決定後に授業等で連絡します。

この科目のキーワード

中学校数学科の内容,学習指導案,模擬授業

説明に使用する言語

主として日本語を使用する

使用する教材の言語

日本語で記述された資料を使用する

この科目に必要な日本の文化・事情の知識について

日本の文化・事情の知識を前提とする内容である

到達目標

中学校及び高等学校数学科の指導内容の数学的な価値に根拠をおいて生徒の学びを拓く授業の在り方を考える。数学とはどんな学問か,指導する立場からその特性をとらえることが主となる目的である。教科書の内容は,数学の本質をどの程度表しているのか,どのような数学的意味や価値をもつのかを,中学校数学科の内容構成とそれに関連する高等学校数学科の内容に即して進め「数学をみる力」と「数学を整理する力」を修得する。受講によって,創意をもって学習指導案を作成し,授業を実践できる技能を身に付けることを達成する。

ディプロマポリシーとの関連性

情報メディア基礎力:情報メディアの技術的および社会的な変化に対応し得る基盤となる知識とスキル, 専門能力:情報メディアの開発とその多面的な活用ができる能力, 地域貢献力:地域の課題を意識し、仕事や社会生活において主体的かつ協調的にその解決に取り組む能力

授業の簡単な概要

内容を広く構造・体系的に設定し,中学校数学科の各領域における数学とそれに関連する高等学校数学科における数学を見渡す。前半は中学校数学科の「数と式」,「図形」,「関数」,「データの活用」各領域の各内容とそれに関連する高等学校数学科の各内容に即し,学問としての数学の基礎を学ぶ。後半は,学習指導案の作成,及び,模擬授業の実践(ICTの活用を含む)により,指導における実践力を高める。本科目は,中学校,高等学校数学免許取得のための必須科目である。

学習内容

  1. ガイダンス  授業の構成,学びを拓く授業
  2. 学校数学科の「数と式」領域:「正の数・負の数」,「文字を用いた式」,「文字を用いた式の四則計算」,「平方根」,「式の展開と因数分解」,「一元一次方程式(比例式)」,「連立二元一次方程式」,「二次方程式」の中枢的概念・原理・法則とその数学的意味や価値,及び,学びを拓く授業のデザイン
  3. 中学校数学科「数と式」と高等学校数学科「代数」のつながり
  4. 中学校数学科の「図形」領域:「平面図形」,「空間図形」,「基本的な平面図形と平行線の性質」,「図形の合同」,「図形の相似」,「円周角と中心角」,「三平方の定理」の中枢的概念・原理・法則とその数学的意味や価値,及び,学びを拓く授業のデザイン
  5. 中学校数学科「図形」と高等学校数学科「幾何」のつながり
  6. 中学校数学科の「関数」領域:「比例,反比例」,「一次関数」,「関数y=ax2」の中枢的概念・原理・法則とその数学的意味や価値,及び,学びを拓く授業のデザイン
  7. 中学校数学科「関数」と高等学校数学科「解析」のつながり
  8. 中学校数学科の「データの活用」領域:「データの分布の傾向」,「多数の観察や多数回の試行によって得られる確率」,「データの分布の比較」,「場合の数を基にして得られる確率」,「標本調査」の中枢的概念・原理・法則とその数学的意味や価値,及び,学びを拓く授業のデザイン
  9. 中学校数学科「データの活用」と高等学校数学科「確率・統計」のつながり
  10. 中高の数学科における数学的構成の意義(縦断的・横断的視点から) イメージマップの作成
  11. 学習指導案の検討T
  12. グルーピングによる模擬授業の実践と考察T
  13. 学習指導案の検討U(ICTを活用した授業実践)
  14. グルーピングによる模擬授業の実践と考察U(ICTを活用した授業実践)
  15. まとめ

授業時間外での学修

次時の講義の題材にかかわる数学の教材を予告する。その内容の部分を「中学校及び高等学校数学科の教科書」及び「中学校及び高等学校学習指導要領解説数学編」で確認するとともに、数学的に考える資質・能力を育成するために、教材を分析し、どのような授業の構成にするのかを構想し、それを発表するためのレポートを作成する。基本的に授業時間外の学修は1コマあたり4時間を必要とする。

成績評価の基準と方法

S:中学校数学科の内容とその指導方法についてよく理解している。また,学習指導案の作成,模擬授業をする技能を充分身に付けている。授業づくりを工夫する意欲をもつことができる。
A:中学校数学科の内容とその指導方法についてよく理解している。また,学習指導案の作成,模擬授業をする技能を充分身に付けている。
B:中学校数学科の内容とその指導方法について理解している。また,学習指導案の作成,模擬授業を行える。
C:中学校数学科の内容とその指導方法について理解している。また,学習指導案の作成,模擬授業をある程度行える。

達成度評価(評価方法:合計100点)

試験:      0 / 100
レポート:    40 / 100
小テスト(中間テストなど含む): 0 / 100
小レポート(中間レポートなどを含む): 10 / 100
作品:      0 / 100
ポートフォリオ: 0 / 100
その他:

20(学習への取り組み状況),30(模擬授業)

教科書・テキスト

中学校学習指導要領解説 数学編」文部科学省,2018,日本文教出版/「高等学校学習指導要領解説 数学編 理数編」文部科学省,2019,学校図書/中学校数学科の教科書/高等学校数学科の教科書

参考図書・参考文献等

「教師教育講座 第14巻 中等数学教育」小山正孝編,2014,協同出版

履修もしくは取得していなければいけない科目

数学科教育法T,数学科教育法U,教育方法論

学習支援

授業内容に限らす,中学校の指導における実践例を紹介したり,授業づくりについて相談を受ける。

授業に関連する実務経験

その他この科目を履修するために必要な条件

模擬授業の活動においては,教材分析,指導プロセスや評価の設定,指導方法や教材の選択・開発について,グループの討議を通して進める。その際,トライアウト(試行)を,対象を設定して行う。