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次のようなテーブルを考えてみよう。
学生番号 氏名 所属学科 学科責任者 ----------- ------------- ---------- ----------- 0001 丸山不二夫 経営情報 植田龍男 0002 山田太郎 経営情報 植田龍男 0003 山田太郎 英文情報 姫宮利融 0004 佐藤花子 英文情報 姫宮利融 0005 北海道夫 英語英文 藤木文彦 0006 門間穣司 経営情報 植田龍男 ----------- ------------- ---------- -----------
このテーブルの主キーは、同じ学科に同姓同名の学生が存在する可能性を排除しない なら「学生番号」である。主キーが一つであるので、主キー以外の項目が、主キー 「全体」に従属するのはトリビアルである。その意味では、このテーブルは「第二正規 化」されていることになる。にもかかわらず、このテーブルは冗長である。
確かに、「学生番号」が与えられれば、それから「氏名」「所属学科」「学科責任者」
が一意に決まるのだが、これらの主キー以外の項目の決まり方は同じではない。
明かに、「学科責任者」は、学生番号から直接決定されるわけではなく、いったん学生
の「所属学科」が決まれば、それに依存して決定される。項目「学科責任者」は、
項目「所属学科」には直接に従属しているが、主キー「学生番号」とは、項目「所属
学科」を介して、間接的にしか関係を持たないのである。
こうしたテーブルは、次のように、二つのテーブルに分解することができる。そうして 分解されたテーブルの内部には、元のテーブルで見られたような、キー項目以外の項目 の依存関係が存在しないのは明かである。
学生番号 氏名 所属学科 所属学科 学科責任者 ----------- ------------- ---------- ---------- ----------- 0001 丸山不二夫 経営情報 経営情報 植田龍男 0002 山田太郎 経営情報 英文情報 姫宮利融 0003 山田太郎 英文情報 英語英文 藤木文彦 0004 佐藤花子 英文情報 ---------- ----------- 0005 北海道夫 英語英文 0006 門間穣司 経営情報 ----------- ------------- ----------
こうした、「第二正規形」の、キー項目以外の項目が相互に依存関係を持たないように することを、「第三正規化」という。別の言い方をすれば、「第三正規形」とは、キー 項目以外の全ての項目が、主キーに間接的でなく、直接に従属している「第二正規形」 である。
maruyama@wakhok.ac.jp