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データベースは情報をどのように組織しているか

論理的には、データベースを構成する基本的な単位は、もちろん「情報」であるが、 様々なデータベース・システムを相互に区別する基本的な特徴は、この「情報」を どの様に組織するかにかかっている。
あるタイプのデータベースでは、情報は、項目毎に、例えば「カード」としてバラバラ に存在させ、関係するカードは、すべて「糸」で結ぶというかたちで情報を組織してい る。こうしたデータベースでは、情報を検索するとは、どんどん「糸」をたぐって、 「カード」を引き寄せることである。こうした、いわば、「いもずる」式のデータ ベースを、実際の「カード」と「糸」で構成するのは難しいだろうが、コンピューター でなら不可能ではない。

こうした情報の組織のしかたに比べれば、リレーショナル・データベースの、情報の 組織は、次のように、極めて単純なものである。

  1. 情報は、「テーブル(表)」として、まとめられねばならない。
  2. データベースは、「テーブルの集まり」である。

こうした情報の組織化が自然なものであることは、古典的なデータベースである図書館 が採用している、次のような、「組織原則」と比較してみればあきらかであろう。

  1. 情報は、「本」として、まとめられねばならない。
  2. 図書館は、「本の集まり」である。

こうした構成を反映して、リレーショナル・データベースで情報を検索するためには、 概念的には、2つのステップが必要となる。まず、第一に、適当なテーブル群を見つけ なければならない。第二に、そうしたテーブル群から、求める情報を検索しなければ ならない。言葉で整理すると何やら複雑そうに見えて来るが、これは、図書館で何かを 調べるためには、まず、本を捜し出して、それから本を調べなければならないのと同じ ことである。

maruyama@wakhok.ac.jp
1995年02月10日 (金) 00時49分16秒 JST