Javaには、 java.util.Propertiesパッケージで定義される「プロパティ」という概念 があります。Java Beansの「プロパティ」は、これとはまったく別の ものです。前者は常に Propertiesという複数形で扱われ、複数の属性の集まりを対象 とし、システム環境やユーザ環境の記述に、Javaの世界で広く用いられます。後者の BeansのPropertyは、Event、Methodと並んで、あるBeanを特徴づける三大構成要素とも いうべきものの一つで、もっぱらBeansの世界で使われる、Beans固有の概念です。 ある「属性」が、String型の「名前」と「値」を持つという点は、両者に共通ですが、 java.utilでは「値」はString型に限られているのに対して、Beansでは任意のObject型を 値に取ることが出来ます。前者のPropertiesは、基本的には、プログラムの外部に保存 され、プログラム中で不変にとどまる「永続的(persistent)」な属性を表現するもの ですが、BeansのPropertyは、こうした性格を持ちません。Beansの世界で、Persistency をどのように実現するかについては、Serializationの話題を取り上げるときに、主題的 に論ずることになるでしょう。