UNIXで、ユーザの管理をつかさどっているのは、/etc/passwd という名前のファイルです。このファイルは、大変に重要なファイルで、これが無くなると、誰もUNIXにログインできなくなります。
このファイルには、ユーザがログインする際に必要なユーザ名や、ホームディレクトリなど、各種の設定が書かれています。以前は、パスワードを暗号化したものが、このファイルに一緒に書かれていましたが、セキュリティを強化するため、パスワードを暗号化したものは、/etc/shadow ファイルに書かれるようになりました。これは、 /etc/passwd ファイルは、誰でも読めるように公開されているからで、そのため、暗号化しているとはいえ、パスワードを破られる可能性があるからです。/etc/shadow ファイルは、一般のユーザからは見えなくされています。
/etc/passwd ファイルは、1行が1人のユーザに対応しており、このファイルの1行は、:(コロン)で区切られた、次のようなフィールドからなります。
第1フィールド: ユーザ名(ログイン名) 第2フィールド: (暗号化パスワード) 第3フィールド: ユーザ番号(UID) 第4フィールド: グループ番号(GID) 第5フィールド: コメントフィールド(名前など) 第6フィールド: ホームディレクトリーのパス 第7フィールド: ログイン・シェルここで、第2フィールドの暗号化パスワードは、現在は使われておらず、"x" などが入れられています。これは、従来のパスワードファイルとの互換性を保つためで、実際の暗号化パスワードは、/etc/shadow ファイルに入れられています。
root:x:0:1:Super-User:/:/sbin/sh root2:x:0:1:Super-User:/:/sbin/sh daemon:x:1:1::/: bin:x:2:2::/usr/bin: sys:x:3:3::/: adm:x:4:4:Admin:/var/adm: lp:x:71:8:Line Printer Admin:/usr/spool/lp: smtp:x:0:0:Mail Daemon User:/: uucp:x:5:5:uucp Admin:/usr/lib/uucp: nuucp:x:9:9:uucp Admin:/var/spool/uucppublic:/usr/lib/uucp/uucico listen:x:37:4:Network Admin:/usr/net/nls: nobody:x:60001:60001:Nobody:/: noaccess:x:60002:60002:No Access User:/: user10:x:10002:1998::/summer/user10:/bin/ksh