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2.2 パスワードファイル /etc/passwd の構造

 UNIXで、ユーザの管理をつかさどっているのは、/etc/passwd という名前のファイルです。このファイルは、大変に重要なファイルで、これが無くなると、誰もUNIXにログインできなくなります。
 このファイルには、ユーザがログインする際に必要なユーザ名や、ホームディレクトリなど、各種の設定が書かれています。以前は、パスワードを暗号化したものが、このファイルに一緒に書かれていましたが、セキュリティを強化するため、パスワードを暗号化したものは、/etc/shadow ファイルに書かれるようになりました。これは、 /etc/passwd ファイルは、誰でも読めるように公開されているからで、そのため、暗号化しているとはいえ、パスワードを破られる可能性があるからです。/etc/shadow ファイルは、一般のユーザからは見えなくされています。
 /etc/passwd ファイルは、1行が1人のユーザに対応しており、このファイルの1行は、:(コロン)で区切られた、次のようなフィールドからなります。

 第1フィールド: ユーザ名(ログイン名)
 第2フィールド: (暗号化パスワード)
 第3フィールド: ユーザ番号(UID)
 第4フィールド: グループ番号(GID)
 第5フィールド: コメントフィールド(名前など)
 第6フィールド: ホームディレクトリーのパス
 第7フィールド: ログイン・シェル
ここで、第2フィールドの暗号化パスワードは、現在は使われておらず、"x" などが入れられています。これは、従来のパスワードファイルとの互換性を保つためで、実際の暗号化パスワードは、/etc/shadow ファイルに入れられています。
 以下に、実際のパスワードの例を示します。

root:x:0:1:Super-User:/:/sbin/sh
root2:x:0:1:Super-User:/:/sbin/sh
daemon:x:1:1::/:
bin:x:2:2::/usr/bin:
sys:x:3:3::/:
adm:x:4:4:Admin:/var/adm:
lp:x:71:8:Line Printer Admin:/usr/spool/lp:
smtp:x:0:0:Mail Daemon User:/:
uucp:x:5:5:uucp Admin:/usr/lib/uucp:
nuucp:x:9:9:uucp Admin:/var/spool/uucppublic:/usr/lib/uucp/uucico
listen:x:37:4:Network Admin:/usr/net/nls:
nobody:x:60001:60001:Nobody:/:
noaccess:x:60002:60002:No Access User:/:
user10:x:10002:1998::/summer/user10:/bin/ksh



Noriyo Kanayama