next up previous contents
Next: 6.2 Solarisのファイルシステム Up: 6. NFSとオートマウント Previous: 6. NFSとオートマウント

6.1 UNIXのファイルシステム

UNIXシステムのファイルシステム全体はルートディレクトリから 始まる木構造をなしています。この点はWindowsやMacOSと似ていますが、 Windowsとは違いドライブという概念はありません。 UNIXのファイルシステムでは、全体がただ1つの木構造をなし、 各デバイス(ここでいうデバイスは、HD、CD-ROM、 MOなどの物理的な記憶装置、またはそれを論理的にいくつかに分割したものを 意味します。要するにWindowsでドライブとして扱われている単位と思っていただ ければよいでしょう)は、この1つの木構造の各枝の部分を構成することにな ります。例えば、典型的なSolarisのファイルシステムの構成は次のようになって います。

この図でそれぞれのディレクトリのデータを保持している実際の物理的なデバイスは、 Solarisでもっとも普通に用いられるUFSファイルシステムで構成された ハードディスクや、ISO-9660にRockRidge +Extension形式で作られたCD-ROM、 あるいはWindowsで使用されているFATで構成されたハードディスクで あったりするわけです。 これらの性格の異なるファイルシステムを結合し、一本のディレクトリツリーに まとめる操作をマウントと呼びます。 これを行なうのは後述するmountコマンドであり、rootのみがこのコマンドを使用して ファイルシステムの結合を行ないます。

このようなファイルシステムの中の一つとして、UNIXシステムではネッ トワーク上に存在する他のUNIXシステムのハードディスクを利用することがで きるようになっています。Windowsなどでいうネットワークドライブですが、 これをNFSと呼んでいます。あるマシン(NFSサーバ)のあるディレクトリを別の マシン(NFSクライアント)が自分のディレクトリツリーのどこかにNFSマウント することにより、クライアント側からサーバのファイルシステムが利用可能に なるわけです。UNIXワークステーションは、NFSサーバとクライアントのいず れか、または両方になることができます。



Noriyo Kanayama