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最初に INN でのインストールの特徴を述べておきます。
INN では config.data というファイルがあり、その設定を書き換えた後に
コンパイル作業に入ります。
この項目は17のセクションで250ほどありますが、
現在では Solaris 用の config.data も用意されていますのでそれほど修正は
しなくて済むと思います。
しかしファイルの置き場所などはそれぞれの環境で書き換えないと
いけないかもしれません。
設定項目
- Make のパラメータ(C コンパイラの種類やライブラリ)
- ログ関連の設定
- オーナーの設定(誰の権限で行うかなど)
前述したユーザやグループ設定はここ(NEWSUSER, NEWSGROUP, NEWSMASTER)で行う
- C コンパイラの設定(関数や変数型の設定)
- C のライブラリ中、無い関数を記述
(空のパラメータの場合も「タブ」は必ず記入しておく)
- INN の動作環境設定
- INN で使用するプログラムのパス
- スプールのパス設定
- innd,rnews が使用するプログラムのパス
- ソケット関連プログラムのパス
- INNで使用する設定ファイルのパス
- innwatch の設定
- TCL の設定
- PGP の設定
- ユーザ「news」のホームディレクトリの設定
- Actsyncの設定
- Perlの設定
具体的には以下の手順で進みます。
$ cd $INN
$ cp sample-configs/config.data-solaris2.5 config/config.data
$ cd $INN/config
今回の書き換えは以下の部分を行いました。
- NEWSMASTER news
デフォルトでは「usenet」ですが今回は分けて管理したいので、
「news」にしておきます。
- INEWS_PATH DONT
これはニュースを投稿するときの PATH 表示時に同じサイトが
重複して表示されるのを防ぐためです。
- WANT_TRASH DO
現在存在しないニュース・グループへの投稿記事はニュース・グループ
junk に保存します。
- WANT_PGPVERIFY DONT
PGP は使用しません(pgp プログラムがあれば使用した方がよいでしょう)。
また、各ファイルの置場所は次の通りとします。
- innd, nnrpd, rc.newsなどのプログラムは /pub/usr/news/bin
- hosts.nntp, nnrp.access, newsfeeds, inn.conf, activeなどの
データ・ファイルは
/pub/var/news/etc
(これらは完成版の置場所になります。
hosts.nntp, nnrp.access, newsfeeds などを変更をするには、
まず $INN/site にある同名のファイルを変更することになります)
- スプール・ディレクトリは /pub/var/spool/news
- ログ・ファイルは /pub/var/log/news
- オンライン・マニュアルは /pub/man
この他に、perl, patch, awk, cc, grep, make, sed を使用する箇所は、
前述したようにシステムで用意されたものではなく、
自分で準備したコマンドを使用するのでパスを /pub/bin に変更します。
Noriyo Kanayama