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15.1 なぜ vi か

viはUNIXのスクリーンエディターです。もっとも今では、エディター はスクリーンエディターであることが常識です。数あるエディターの中で、 特にviが選ばれるのはなぜでしょうか? viは次のような特長を備えています。

viの根本思想は「ひたすら速く」です。viには親切なメニュー画面はありません。 ユーザーはコンピュータに熟達した人間であることを仮定しています。従ってviは、 初心者には「とっつきにくさ」を感じさせる面があります。しかし、それはviが ユーザーインターフェイスを軽視しているという意味ではありません。実際、 viほどインターフェイスに神経を使っているエディターは他にないでしょう。 最少の労力で最大の成果をもたらすよう計算し尽くされています。そのことは、 viを使い込むほど実感できるはずです。

UNIX上のエディターとして、vi以後に登場したものもあります。しかし、 viが「時代遅れ」になることは決してないでしょう。なぜなら、ディスプレイを 見ながらキーボードで入力するという環境の中では、viはほとんどバージョン アップの余地がない完成されたエディターだからです。

確かにviより覚えやすいエディターや、viにない機能を備えたエディターは 存在します。しかし実用的な観点から見た場合、viより効率よくテキストを編集 できるエディターがあるかというと、大いに疑問です。

もしviの性能に不満を持つ人がいるとしたら、それはまだviの潜在能力を 100%知りつくしていないからでしょう。



Noriyo Kanayama