viの根本思想は「ひたすら速く」です。viには親切なメニュー画面はありません。 ユーザーはコンピュータに熟達した人間であることを仮定しています。従ってviは、 初心者には「とっつきにくさ」を感じさせる面があります。しかし、それはviが ユーザーインターフェイスを軽視しているという意味ではありません。実際、 viほどインターフェイスに神経を使っているエディターは他にないでしょう。 最少の労力で最大の成果をもたらすよう計算し尽くされています。そのことは、 viを使い込むほど実感できるはずです。
UNIX上のエディターとして、vi以後に登場したものもあります。しかし、 viが「時代遅れ」になることは決してないでしょう。なぜなら、ディスプレイを 見ながらキーボードで入力するという環境の中では、viはほとんどバージョン アップの余地がない完成されたエディターだからです。
確かにviより覚えやすいエディターや、viにない機能を備えたエディターは 存在します。しかし実用的な観点から見た場合、viより効率よくテキストを編集 できるエディターがあるかというと、大いに疑問です。
もしviの性能に不満を持つ人がいるとしたら、それはまだviの潜在能力を 100%知りつくしていないからでしょう。