/etc/passwd と /etc/shadow は、 ユーザー管理の上でも、UNIXシステム全体の セキュリティの面でも、重要な役割を果たしています。 この大事なファイルを、もしも、二人のスーパー・ユーザーが同時にエディットしたら どういうことが起きるでしょうか? 明きらかに、先に vi を終了した方の編集内容はすべて無視され、 最後に書き込んだ方の内容だけが残ることになります。
/usr/ucb/vipw は、こうしたことが起きないように、同時には、一人の スーパー・ユーザーしか使うことが出来ないように作られた、 /etc/passwd と /etc/shadow 編集専用のエディターです。 (正確には、/etc/passwd, /etc/shadow にロックをかけて、vi を呼んでいる だけですので、自分でシェルスクリプトを書いても同じ事が出来ます。) エディターとしての操作法は、vi と同じです。
引数無しで /usr/ucb/vipw を起動すると、まず /etc/passwd の編集が行える状態 になります。/etc/passwd の編集を、通常の vi コマンドの 'ZZ' 等で終了すると、 次のようなプロンプトが出て、/etc/shadow の編集をするかどうかを 聞いてきます。 この時、'e' を叩くと /etc/shadow の編集が可能となります。
You have modified the password file. Press 'e' to edit the shadow file for consistency, 'q' to quit: