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疑似ファイルシステムは、カーネルの特殊な情報にアクセスするために構成された
仮想的なファイルシステムです。このようにすることで、通常のファイルにアクセス
するのと同じような方法でシステムの状態に関する情報を得ることが可能になります。
- tmpfs .... テンポラリーファイルシステム
システムが一時的な作業ファイルなどを作成するのに使用します。Solarisでは、
通常 /tmp ディレクトリがこのtmpfsで構成されます。高速化のために、メモリの
一部が、RAMディスクのようにこのファイルシステムのために使用されます。
また、作業領域として、必要に応じてディスク上のスワップ領域も使用されます。
このファイルシステムは、一度システムをリブートするとその内容は失われて
しまいます。
- lofs .... ループバックファイルシステム
仮空のファイルシステムをつくり、ファイルに別のパス名を与えることができます。
例えば、/ の上に、/tmp/newroot を、ループバックマウントすると、ルート
以下の全てのファイルシステムが、/tmp/newroot 以下にコピーされたかのように
見えます。
- procfs .... プロセスファイルシステム
カーネルが管理しているプロセスのリストをファイルシステムとしてアクセスできる
ようにしたものです。これらの情報は、psコマンド等で利用されます。
- cachefs .... キャッシュファイルシステム
Solaris 2.4から導入された新しいファイルシステムで、ネットワークファイ
ルシステムのキャッシングに利用されます。これとネットワークファイルシス
テムを組み合わせることで効率的なディスク資源の利用と性能向上が計れます。
- その他の疑似ファイルシステム
この他にも、次のような疑似ファイルシステムが存在します。
- ・fifofs
- 名前付きパイプ
- ・fdfs
- ファイルディスクリプタ
- ・namefs
- STREAMS
- ・specfs
- スペシャルデバイス
- ・swapfs
- スワップ
Noriyo Kanayama