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3.7.1 マスターとスレーブ

サーバーには、マスター・サーバーと、スレーブ・サーバーの2つの 種類があります。 マスター・サーバーは NIS情報を一元管理するためのマシンです。 /etc に管理ファイルを持ち、NISのマップ変更等の作業は全てこのマシンで行います。 当然のことながら、マスター・サーバーは各ドメインに必ず1台ずつ存在します。

最もシンプルな NISの構成は、マスター・サーバーと残りは全てクライアントと いう形態です。 しかし、このようなシステムには2つの問題点があります。 まずマシンの数が増えサービスの要求が多くなると、サーバーに負荷が 集中することになり、サーバー1台がダウンしただけで、 たちまちシステム全体が麻痺状態になってしまいます。 また、ネットワークセグメントを越えてサービスを行なう場合も応答の低下や トラフィックの増大は避けられません(NIS でセグメントを越える事は出来ますが、 色々なトラブルがあり、あまりやらない方が良いでしょう)。

これらの問題に対処するために導入されたのが「スレーブ・サーバー」です。 スレーブ・サーバーは、マスター・サーバーと同じマップ情報を維持し、 NISのサービスを分散処理します。 また、万一マスター・サーバーがダウンしても NISのサービスは支障なく提供 されます。各セグメント毎にスレーブ・サーバを配置しておけば、システム全体の性能向 上に大きく役立ちます。 スレーブ・サーバーの台数は、ネットワークの規模に応じて 自由に調整することが可能です。 スレーブ・サーバーが記憶するのはマップされたNISの情報の方なので、 /etc の下の管理ファイルは、通常のクライアントと同じく最低限のものを 持たせるだけにします。



Noriyo Kanayama