例えば、システムを落とすshutdownコマンド、ユーザー登録に使う vipwコマンド、ファイル・システムを構成するmountなどが代表的な、 システム管理用のコマンドです。これらのコマンドの多くは、/sbinか /usr/sbinというディレクトリーに収められています。
これらの管理用のコマンドとは別に、ほとんど全てのデーモン・プロセス
は、ルートの所有でルートの権限で走っています。
スーパー・ユーザーが使うコマンドには、chmodやkillのように、一般の ユーザーもそのコマンドを使えますが、スーパー・ユーザーだけが 特別に強い権限をもっているコマンドがあります。
例えば、chmodは、一般には、各人が所有するファイルに限ってその属性の 変更を行うコマンドですが、スーパー・ユーザーは、任意のファイルの 属性を変更することが出来ます。これと、ファイルの所有者・グループを 変更するコマンド、chown,chgrpと組み合わせれば、スーパー・ユーザーは、 任意のファイルにアクセスする権限を持つことになります。
コマンドkillの場合も、一般には、各人が所有するプロセスに限って、 そのプロセスを殺せるのですが、スーパー・ユーザーの場合は、 任意のプロセスを殺す権限を持つことになります。
また、rm のような一般的なコマンドでも、スーパー・ユーザーが誤って
使えば壊滅的な打撃を与えます。実際に過去の実習において、誤って
/ で rm *
を実行してしまった受講生もいます。