1-1:インターネットで利用できるサービス

インターネットに接続したコンピュータから どんなサービスを利用できるのでしょうか?

電子メール(E-mail)

電子メールは、 インターネットの初期から現在まで、最も広く利用されているサービスでしょう。
世界中の人々に電子メールを発送することも逆に受け取ることもできます。 たいていのウィンドウシステムには電子メールを取り扱うためのツールが 用意されています。 また、最近のWWWのブラウザにはメールツールの機能も付属しているのが普通です。
さて、 普通の郵便を送る時と同じように、電子メールの場合も相手の「住所」に 当たるものが必要です。これを電子メールの「アドレス」といいます。 インターネットの場合、インターネットに接続する機関ごとに そのアドレスが登録されています(これを「ドメイン名」と言います。) たとえば、この稚内北星学園短期大学の場合は wakhok.ac.jp です。 皆さんの電子メールのアドレスは、このドメイン名の前に個人の登録名を付け、 maruyama@wakhok.ac.jp のようになります。 (ドメイン名の前にマシン名を付けなければならない場合もあります。)
プロバイダを通じてインターネットにアクセスする場合には、 そのプロバイダに割り振られたドメイン名に応じてアドレスがきまります。 たとえば、maruyama@souya-net.ne.jp のようになるわけです。

ネット・ニュース(news)

ニュースも mail と並んで人気が高いサービスです。 通常の新聞と異なるのは、誰か特別な編集者が記事を書いているわけではなく、 読者の「投稿」によって全ての情報が作られるという点でしょう。
ネットワーク・ニュースには数多くの「ニュース・グループ」と呼ばれる分類 があり、ユーザーは自分の興味のある「ニュース・グループ」から 記事を読んだり、逆に投稿したりします。 「ネットワーク・ニュース」を通じて特定の問題に対する活発な議論が かわされることも珍しくなく、皆さんもそれに積極的に参加することが可能です。 ニュースの情報の投稿は電子メールと同様な方法で行なわれます。

メーリングリスト(ML)

メーリングリストは比較的新しく新しく普及したサービスです。 参加者が投稿したメールが、登録されたメンバー全員に配信され、 お互いに意見の交換が行なわれます。 ネット・ニュースと違い、 インターネット全体で統一的に運営されているサービスではなく、 さまざまなサイトでサービスが個別に提供されています。 同じ趣味を持つ人たちのもの、 人気アーチストに関するものなど、さまざまなものがあります。 参加者を限定したものもあれば、自由に参加できるものもあります。 インターネット上に開設された「パソコン通信」のような存在とも言えます。

ファイルの転送(FTP)

遠く離れた場所にあるコンピュータから、必要なファイルをコピーしてきたい (あるいは逆に送りたい)場合に利用されるのが FTP と呼ばれるツールです。 たとえば、新しく開発されたソフトウェアを手に入れたい場合には、 この FTP のお世話になるわけです。
ただし、FTP は どんな相手にも自由に使えるというわけではないので注意してください。 相手側の許可もなく勝手にファイルを読んだり書いたりはできません。 FTP が利用できるのは、相手側でもあなたに特別に許可を与えているか、 あるいは anonymous FTP と言って、不特定の人に解放するように サービスを公開している場合に限ります。 (この場合もファイルを読み取ることはできても、書き込めないのが普通です。)
最近では anonymous FTP のサービスを行っている機関の数が非常に増え、 ネットワークに公開されたソフトウェアは、 ほとんどそこから手に入れることができます。
また、プロバイダと契約して自分のホームページを作成する場合には、 FTPによってホームページのデータを転送することもあります。

マシンへのログイン(telnet)

遠く離れた場所のコンピュータに、リモート・ログインすることも可能です。 ただし、これも FTP の場合と同じく、相手側のマシンに あなたがユーザーとして登録されていることが条件となります。
ほとんどのコンピュータは、 インターネット上にさまざまなサービスを提供している場合でも、 セキュリティ(安全性)のため部外者のログインはできないようになっています。 しかし、 たとえばある企業の海外の支社にもインターネットに接続したコンピュータが あり、そこにユーザー登録されている本社の人間が、telnet でログインすると いうような活用は考えられます。

情報を捜すサービス(Archie, WAIS, Gopher)

さて当たり前のことですが、mail や FTP などのサービスは、 通信相手を指定しなければ利用できません。 いつも特定の親しい人とだけ情報交換するのなら問題はありませんが、 それではネットワークの利点を十分に活用しているとは言えません。 新しい情報のある場所へ積極的にアクセスしていくべきです。
しかし、インターネットが成長し巨大なものになった現在では、 どこにどんな情報があるのか探し出すだけでも大変な労力となります。 こうした作業を助けるために生まれたのが情報検索のサービスです。
Archie は anonymous FTP のサービスを提供する世界中のサイトを調べ、 どこからどんなソフトウェアを手に入れることができるかを教えてくれます。
WAIS はインターネット上の記事やテキストをキーワードによって、 見つけ出してくれます。
Gopherは、さらにユニークなアイディアに基づいたもので、 インターネット上に分散したデータベースのサーバーと次々に通信を行い、 あたかもネットワーク上を歩き回るようにして情報を探し出すシステムです。 実は、この考えがさらに発展して登場したのが WWWのシステムなのです。

マルチメディア情報の網の目(WWWサーバーとブラウザ)

WWWのサービスは、インターネット上に情報を提供する 無数のWWW(World Wide Web)サーバーとそこから情報を受け取るブラウザ( Netscape, Internet Explore など)から成り立つシステムです。 情報提供を行うサーバーを網の目のように互いにつないでいくことで全世界をカバーし、 しかも非常に効率良く情報を手に入れることを可能にしています。
WWWの大きな特徴は、「マルチメディア」の情報をネットワーク を介してやり取りできるということです。 従来の文字の情報の他に、画像、音声、ビデオ映像を コミュニケーションの手段として活用することによって、 その表現力や情報の質に大きな変化をもたらしたのです。
また Netscapeなどのブラウザは、その優れたユーザー・インターフェイスのおかげで、 幅広いユーザーのニーズに応えることができました。 ブラウザの中から mail, news はもちろん FTPやGopherなどのサービスを 呼び出すこともできます。 WWWの登場が、 現在のインターネットの爆発的な人気に火をつけたと言ってよいでしょう。