市民講座「インターネット入門」 第4回
 
 

デスクトップ環境を自分好みにする



 

Windowsの個人設定

Windowsの使い方に慣れてくると、だんだんと細かい設定を自分の好みに合わせて変更したくなってきます。たとえば、いろいろなソフトをメニューをいちいちたどらなくてもすぐに起動したい、画面の背景を変えたいなどが考えられます。

 このようなWindowsの一般的な操作に関するさまざまな設定を、よく「環境」とか、「デスクトップ環境」という言葉で表します。また、この設定をユーザが自分に合わせて変更することを、「カスタマイズ」と言います。

 Windowsでは、このようなデスクトップ環境ををある程度までユーザがカスタマイズできます。ただし、家庭などで一人で使用するパソコンならどのように変更をしても問題ありませんが、この実習室のように何人もの利用者が同じコンピュータを利用する可能性のある場合、あるユーザが変更した設定が、他のユーザにも影響すると不便です。

 そこで、この実習室のマシンは、最初に入力されたユーザ名とパスワードに応じて、そのユーザ個人の環境を保存できるように設定してあります。

この個人用に変更された環境の設定を、Windowsでは「プロファイル」という用語で表します。北星短大の4階と5階の実習室では、このプロファイルをそれぞれのマシン上に置くのではなく、ネットワークを通して接続された「サーバマシン」という特別なマシンに保存するようになっています。これを移動プロファイルと呼ぶことになっています。この移動プロファイルにより、あるマシンで設定した個人環境が、別のマシンを使うときにも引き継がれるのです。
 

「マイコンピュータ」の見方

ここで、ちょっとWindowsの画面、つまりデスクトップの一番左上にある「マイコンピュータ」というアイコンをダブルクリックしてみましょう。すると、次のようなウィンドウが表示されるはずです。このウィンドウの様子は、そのコンピュータに何台のハードディスクが接続されているか、またそのコンピュータがネットワークにつながっているかどうかなどによって違ってきますが、4階実習室の場合を例にとって説明します。
 
 

それぞれのアイコンのうち、A:からZ:までのアルファベットが書かれているものは、いろいろな種類のディスクドライブ、つまりシステムが使用するさまざまなファイルや、皆さんの作った文書や画像など、さまざまなデータを置くことのできる場所です。

通常は、簡単に、「Aドライブ」、「Cドライブ」などと言ったりするようです。コンピュータにもいろいろな機種がありますが、この実習室で使われているような最近のWindowsマシン(DOS/Vマシンとか、AT互換機などという言い方をします)の場合、Aドライブはフロッピーディスクになります。また、Cドライブはコンピュータに内蔵されているハードディスクで、Windowsのシステムが主に使用する場所になります。

この他は、それぞれのコンピュータによって違ってくる場合が多いですが、このコンピュータの例では、Dドライブはシステムが一時的にいろいろなデータを置く作業場所として使われます。また、Eドライブは、CD-ROMドライブになっています。

それから間が飛んで、YドライブとZドライブがあります。これらは、CドライブやDドライブと似たアイコンで表示されていますが、なにやらドライブのアイコンの下に線がつながって表示されています。これは、このドライブはネットワーク経由で接続されており、実際には別のコンピュータ上にあることを表しています。この「別のコンピュータ」というのが、最初に説明したサーバマシンのことです。4階のサーバマシンは、Ultra01とUltra02という名前です。この例では、Ultra02がサーバになっています。

Yドライブは、利用者全員が共通に利用できる部分になっています。全員で利用するデータなどはここに置いておけば、同じ物をいくつも重複して用意する必要はなくなるわけです。

一方、Zドライブは、利用者の一人一人が個人的に割り当てられた領域です。上の例はmommaというユーザの例ですが、サーバUltra02上にユーザ名と同じmommaという場所が用意してあり、そこがログオンすると自動的に個人用のデータの置き場所として使用されるわけです。

先に説明した個人環境の設定(プロファイル)も、このZドライブに記憶されることになるのです。ただし、1台で独立したコンピュータを使用している場合など、ネットワークをそもそも使っていなければ個人の設定もCドライブに記憶されることになります。
 

 それでは、デスクトップ環境のいくつかの項目について、どのようなカスタマイズが可能なのか見てみましょう。
 

デスクトップの「プロパティ」メニューを使う

デスクトップの、背景の部分にマウスのカーソルを持っていって、右ボタンをクリックしてみます。すると、次のようなメニューが表示されます。

 この中の一番下にある「プロパティ」という項目を選んでみましょう。 「プロパティ」とは、「性質」という意味の言葉で、コンピュータ用語としては、ある物に対して設定できるさまざまな項目をまとめてプロパティとよぶことがよくあります。 すると、次のようなウィンドウが現れて、画面に関するいくつかの設定を行うことができるようになります。
 
 








 このウィンドウでは、「背景」、「スクリーンセーバー」、「デザイン」、「Plus!」、「ディスプレイの詳細」の5項目についての設定があります。この5つの項目について簡単に紹介します。

背景
Windowsを最初にインストールした状態では、画面の背景は味気ない青緑一色ですが、これを少し自分の好みに合わせて変更してみます。

模様
今の色をベースにしながら、それに強弱をつける模様を加えるには、「背景」の設定画面の左側にある「模様」のリストを使います。ここにいろいろな模様の名前が並んでいるので、使ってみたい模様を、クリックして選んでください。 すると、どんな模様なのか、サンプルが表示されます。実際の画面全体にこの模様を使ってみたければ、このウィンドウの右下の「更新」ボタンをクリックしてください。
背景が必要なければ、一番上に「なし」という項目があるのでこれを選んでください。

壁紙
 「模様」が地の色を生かしてそれに変化をつけるのに対して、「壁紙」は、まったく新しい絵を画面に重ねます。壁紙を使うと、模様の方は壁紙の下になって見えなくなります。 「壁紙」の選びかたも、「模様」と同じで、リストから使ってみたいものの名前を選びます。ただし、模様のときと違って、サンプルが縮小された表示になるので、サンプルを見てもどんな柄かわかりにくくなっています。「更新」で実際の画面に表示して確かめるのがいいでしょう。 また、自分で気に入った写真や画像のファイルがあれば、それを壁紙として使用することもできます。

スクリーンセーバー
作業をしていないときも、画面にいつも同じ表示が出たままにしておくと、長い間にはディスプレイにその画面が焼き付いてしまったりします。このようなことを防ぐためと、息抜きのため?に、なにも作業をしていない状態でしばらく置いておくと、決められたアニメーションを表示する機能があります。これを「スクリーンセーバー」といいます。画面の焼き付きを防ぐため、スクリーンセーバの画面は、黒っぽいものが多くなっています。
 
 



 スクリーンセーバーをリストから選ぶと、サンプルアニメーションが表示されます。スクリーンセーバーの種類によっては、アニメーションの動きなどの設定を行えるものもあります。すぐに画面全体で実行して見たいときは「プレビュー」ボタンを押します。すると、スクリーンセーバーを実際に表示させることができ、マウスやキーに触れるまでスクリーンセーバーは動き続けます。

デザイン
 
 

 Windowsのさまざまな部分で表示される色や、文字(フォント)の設定ができます。「配色」全体に使われる色とフォントの組み合わせを選び、「指定する部分」を細かく選んでその部分のサイズ、色、その部分で使用されるフォントを調整することで、自分好みのデスクトップ環境を作ることができます。

ただし、極端に小さな文字を使用するとメニューやボタンが読めなくなって後で元にもどせなくなったり、逆に大きすぎる文字を使ってしまうと画面にウィンドウが収まらなくなって操作ができなくなったりしますので気をつけてください。

Plus!
 
 




この項目では、さまざまな細かい表示の調整ができます。Windowsに初めから設定されている「マイコンピュータ」などのアイコンも変更できます。(この講座では、あまり変更すると後で分かりにくくなるのでおすすめしませんが)

ディスプレイの設定



 この項目は、画面の解像度(縦横のドット数)、表示できる最大色数などを設定できます。ただし、この設定を変更すると、マシンを再起動する必要がある場合が出てきます。何かほかのソフト(Netscapeなど)を使用している場合は、それを終了させてから解像度や色数の変更を行うようにしましょう。

どのような解像度、色数まで表示できるかは、マシンによって違います。しかし、一般的には、多くの色数を表示しようとすれば、その分解像度は低くなります。

5階実習室のマシンでは、実用的なのは65536色で800x600ピクセルか、256色で1024x768ピクセルの設定でしょう。
4階の実習室では、より新しい機種なので、1024x768ピクセルで、True Color(約1600万色)の表示を行うことができます。

満足できる設定ができたら、いったん「テスト」のボタンを押します。すると、画面上にテスト画面がしばらくの間表示され、10秒ほど経つとまた元に戻ります。このテストパターンが正常に表示されていれば、新しい設定を使用しても大丈夫なので、今度はウィンドウ下部の「OK」ボタンをクリックします。これで、「画面のプロパティ」ウィンドウが終了し、以後は皆さんが設定した環境でWindowsを使うことができます。

(Windows95を使用している場合は、「テスト」ボタンのかわりに常に再起動になる場合があります。)



以上見てきた何項目かの設定は、「ディスプレイの設定」以外は移動プロファイルに記憶され、次回ユーザ名とパスワードを入れてマシンを使いはじめると、今行った設定が再び呼び出されて使用されます。

デスクトップにショートカットを作る
たとえば、電卓を使用する場合、スタートメニューの、「プログラム」→「アクセサリ」→「電卓」とたどって起動します。しかし、電卓を頻繁に使う人は、いちいちこのように起動するのは面倒と感じるでしょう。 これを、デスクトップにおいたアイコンをダブルクリックするだけで起動できるようにしてみましょう。 これを行うためには、電卓のプログラムの本体(実行ファイルとか、EXEファイルと呼ばれます)がシステムのどこに置かれているか知らなければなりません。

次のような手順で、電卓の実行ファイルを表示させます。
まず、「マイコンピュータ」をダブルクリックして開きます。



ここに表示されるもののうち、「Cドライブ」が通常はシステムの入っているハードディスクです。これをダブルクリックして開きます。
 
 



これをダブルクリックして開くと、たくさんのアイコンが並んでいます。このうち、「Winnt」フォルダをダブルクリックして開きます。
 
 



そして、さらに「System32」フォルダを開いてください。アイコンの数が多くて見づらいですが、アイコンはアルファベット順に並んでいます。



まとめて書くと、マイコンピュータ→Cドライブ→Winnt→System32 となります。

System32フォルダの中にも多くのアイコンが並んでいますが、これらのアイコンは最初の設定ではアルファベット順に並んでいます。この中に、電卓のプログラムの実体である「Calc」というアイコンがあります。これを見つけてください。
 
 



そして、このアイコンの上でマウスの右ボタンをクリックし、メニューを出します。このメニューから「ショートカットの作成」を選んでください。
 



すると、次のようなメッセージが表示されますので、「はい」を選択してください。


すると、デスクトップに次のように、Calcと同じ外見のアイコンが作成されます。これを「ショートカット」と呼びます。
 


このアイコンをダブルクリックしてみましょう。すると、メニューから起動したのと同じように電卓のプログラムが起動されます。
 


このように、いちいちメニューから呼び出さなくとも、このショートカットのアイコンをダブルクリックするだけで必要なソフトを起動できます。 


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