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3.4.2 IPアドレス

UNIXネットワークで、最も重要なアドレスが、ネットワーク層の IPアドレスで、4byte , 32bit のアドレス ( IPv4 ) です。 このアドレスは、本来は、NIC (Network Information Center)から、正式に 取得すべきものですが(日本では、JPNIC が管理しています)、 外部のネットワークと接続しないならば、 各サイトで自由に設定しても構いません(逆にネットワーク接続をするならば、 必ず取得しなければなりません)。

1.
プライベート・アドレス
しかし、最近では、こうしたネットワーク接続していないサイトに対しても 次のプライベート・アドレスが推奨されています (詳しくは、JPNIC から資料が配布されています RFC1597)。 これらは自由に使うことが許されていますが、決して外部にこの IP アドレス を流さないようにしなければなりません。こうしたプライベートアドレスのネットワーク から Internet へ接続するためには、NAT (Network Address Translator)が使われ ます。NAT では、ある IP address から別の正式な IP address への変換を行います。 更に、IP masquarade とか NAT+ などという名前で呼ばれる、単一の Internet address への変換などもあります。NAT は基本的には、トランスポート層でのパケットの変換 を行いますが、ftp などのようにアプリケーション層で IP を送受信する場合もあるので、 一部アプリケーション層での変換も含まれています。

IPアドレスは、「192.9.200.10」のように、各バイトを10進であらわし、 ピリオドで区切って表現します。

Internet では、第1バイトの 1bit 目が 0 で、 残り 7bit が netid であるネット ワークをクラス A としています(0-127)。 従って、クラス A のサイトでは、 第2バイト以下のアドレスを自由に割り振る事が出来ます。 同様に、1bit 目が 1, 2 bit 目が 0, 残り 14 bit が netid である ネットワークをクラスB としています(128-191.xxx)。 従って、クラス B のサイトでは、第3、第4バイトの 16 bit を hostid に割り振れます。 最後に、先頭の 1,2,3 bit が、1,1,0 で、残り 21 bit が netid であるネット ワークをクラス C としています(192-223.xxx.xxx)。 従って、hostid は、8 bit(256) ありますが、。 それらすべてをマシンにすべて割り振れるかというとそうではなく、 255 はブロードキャストに、0 はネットワーク自体に用いられるので、 ホストの指定に可能なアドレスは、各バイトに対して 254 個です。 その他に、クラス D, E がありますが、当面関係はありません(クラス D はマルチ キャスト用、クラス E は予約されたクラスで、現在では Internet の実験用です。 当然一般には使用禁止です)。

最近では、このアドレス資源が枯渇しつつあり、特別な事情が無い限り、 クラス C しか取得する事は出来ません (複数のクラス C のアドレスを取得する事は、規模によっては可能です)。 更に、小規模な申請に対しては、CIDR (Classless Inter-Domain Routing) を用いた割り当てがされるようになってきています。

ホスト名とIPアドレスの対応表は、ファイル /etc/hosts に収められて います( DNS での管理もあります)。 このファイルは、/etc/passwd , /etc/fstab 等とならんで、 システム管理上、最も重要なファイルの一つです。



 

Noriyo Kanayama