Next: 6.5 インストール Up: 6. mail の設定 Previous: 6.3.4 Other Setting

6.4 メールのヘッダー

これまでメール自身については何も触れてきませんでしたが、実際にメールシステムを動作させテストするには、メールがどのような形式で送られてくるかを知っておく必要があります。すべてのメールはヘッダーとメッセージ本体からなり、ヘッダーとメッセージ本体はひとつの空行で区切られます。ヘッダーは、行頭から始まり、[ヘッダー名]: とフィールドからなります (最初のFrom 行は特別）。ここで、コロン(:)の後ろの空白以外の文字からがフィールドです。行頭が空白ならば、前の行の継続として解釈されます。

実際のメールは、

From mytest@summer0.wakhok.ac.jp Fri Aug  1 17:08:08 1997
Received: from ipcd1.summer0.wakhok.ac.jp 
    (ipcd1.summer0.wakhok.ac.jp [202.11.99.36])
    by ipcd4.summer00.wakhok.ac.jp (8.8.5+2.7Wbeta5/3.5Wpl7)
    with ESMTP id RAA01308
    for <mytest@summer00.wakhok.ac.jp>;
    Fri, 1 Aug 1997 17:08:06 +0900 (JST)
Received: (from mytest@localhost) by ipcd1.summer0.wakhok.ac.jp
          (8.8.5+2.7Wbeta5/3.5Wpl7) id RAA01100
          for mytest@summer00.wakhok.ac.jp;
          Fri, 1 Aug 1997 17:20:35 +0900 (JST)
Date: Fri, 1 Aug 1997 17:20:35 +0900 (JST)
From: test lxc1 <mytest@summer0.wakhok.ac.jp>
Message-Id: <199708010820.RAA01100@ipcd1.summer0.wakhok.ac.jp>
To: mytest@summer00.wakhok.ac.jp
Subject: test

	[ メッセージ本体 ]

のような形式ですが、その外のヘッダーがついていることもあります。メールシステムのテストで、特に重要なヘッダーにしぼって以下解説をします。

From

あってもなくても良い。ローカルメーラー（着信時にユーザーのスプールに配送するエージェント）に /bin/mail( mail.local )を使った場合には通常付加されます。 Unix From 行とも呼ばれ、ucbmail 等のクライアントソフトでは、個々のメイルの区切りとして判別されます。

Received:

発信人から受信人に届くまでにメッセージを処理した MTA によって付加されます。従って、複数の MTA を経由して来たならばそれらが全てここに表示されます。実際の配送経路を知るために非常に重要です。

また、ここには通常配送にあたった sendmail のバージョンなどが記されているので、セキュリティホールのある sendmail を使っているサイトは、ここの叙述を変更するようにしておいた方が良いでしょう（勿論、本質的な解決は sendmail をアップデートすることです）。

Date:

発信日時を表します。その他のマシンの時刻とずれている場合もありますが、細かな時間の相違はマシンの時計のずれに起因する場合もあるので気にしなくても良いでしょう。しかし、この日時が受信と数日ずれている場合は、配送経路のどこかのマシンに問題があるか、過負荷になっている場合が多いので注意を要します。

From:

発信人の e-mail アドレスと Full Name が記載されています。Full Name は、 /etc/passwd の GECOS フィールドから取得されます。

        From: Georg Hogehoge <hogehoge@summer1.wakhok.ac.jp>

また、順序は逆にしても良く、その場合は以下のように記載されます。

        From: hogehoge@summer1.wakhok.ac.jp (Georg Hogehoge)

勿論、GECOS フィールドに何もない場合や、MUA にパソコン上のソフトを使っている場合などに、GECOS 情報が記載されていない時もあります。その場合は、単純なアドレスのみになります。

        From: hogehoge@summer1.wakhok.ac.jp

Internet mail address では、この３つの場合以外のアドレスは許されません。

sendmail.cf のテストでは、この From: 行のアドレス書き換えに注意する必要があります。

Subject:

題名ですが、あってもなくても構いません。発信人の選択項目です。

Message-Id:

日時、ファイル名、マシン名、ドメイン名などから生成される一意の文字列です。特に、指定しない場合は、sendmail が自動的に付加しますが、一部のパソコン用クライアントでは設定によっては不正な ID を生成するものがあります。基本的には、こうしたメイルを外部に発信することは禁物です。

To:

受信人のリストです。複数ある場合には、カンマによって区切られます。

        To: name1,name2,name3@summer2.ac.jp

ここのアドレスにも注意が必要です。

Noriyo Kanayama