TCP/IPのプロトコル群は、次の図に示すような、階層をなしています。
データを送る側にも、データを受け取る側にも、同じ階層のプロトコルが
あり、データを送るときには、高い階層から低い階層にデータが渡され、
データを受け取るときには、低い階層から高い階層にデータが渡されます。
この時、高い階層から低い階層にデータが渡されるにつれ、それぞれの階層の
アドレス等の通信制御情報が付け加えられ、逆に、低い階層から高い階層に
データが渡されるときには、これらの制御情報は取り除かれます。
階層 | 各種のサービス |
アプリケーション層 | telnet,ftp,rlogin,rcp |
トランスポート層 | TCP,UDP |
ネットワーク層 | IP |
データリンク層 | Ethernet |
物理層 | ケーブル などを含む |
実は、上の階層図は説明上のもので、元々の DARPA での IP の階層ではなく、 その後有名になった通信プロトコル階層である OSI モデルを翻訳・利用した 説明です。 OSI モデルでは、7つの 階層を定義していますが、TCP/IP はそれより以前でしたので、元々は以下の4階層 で理解されていました。従って、OSI 的に考えると矛盾する場合もありますが、 IP の階層はそれなりに独立性が高くなるように考慮されているのです。しかし、 OSI 的な見方は一般的ですので、3〜5の OSI 的な機能で定義されることが多いようです。 一方、そのために、ICMP などのプロトコルは 2つの階層にまたがったりして、逆に理解しにくい場合もあります。本書では、 取り敢えず上の5階層で説明することにします。
階層 | 機能 |
アプリケーション層 | ネットワークを利用するアプリ |
トランスポート層 | エラー検出と訂正など |
インターネット層 | データグラムの定義と経路制御 |
ネットワーク・アクセス層 | 物理ネットワークへのアクセス |