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13.2 色々な DHCP の実装

フリーに利用可能な DHCP としては、以下のものがあります。

残念ながら、筆者は CMU DHCP は使用した事がありません。WIDE の DHCP は日本 で開発・保守されているだけに使い良いものですし、日本語マニュアルも完備 しているので初心の方には便利ですが、基本的には BSD 系でしか動きません。 というのは、DHCP の実装には、先に解説したことからデータリンク層での プログラミングが必要なのですが、BSD には BPF (Berkley Packet Filter) と いうそのための仕組みがあらかじめ用意されていたのです。ISC DHCP や WIDE DHCP はこの機能を使って実現されているので(ISC は V2 で既に色々なシステム への移植のためのコードを含んでいるので、必ずしも正確ではないですが)、 BPF のないシステムへの 移植は大変なのです。幸いにして、Solaris は SystemV 系ですが、BPF が用意 されているので、かろうじて ISC DHCP でサポートされていますが、WIDE 版を Solaris に移植した人は残念ながらまだいないようです。という訳で、本テキスト では ISC DHCP を元に解説を行います。しかし、実は、ISC DHCP には V1 と V2 があり、どちらを使うかは迷うところです。V1 は既に開発を終了し、'96 年 以降凍結されています。サポートが終了したから不安定という訳ではなく、 対応しているシステムに対しては非常に安定性が高いので、完成したという意味 に近いものです。一方、V2 は V1 に実装されていなかった新しい機能や、クライ アント部分なども含めた形で現在開発中のもので、'98 年中頃にはリリースが されるとアナウンスされていますが、現在のベータ版でも既にかなり安定して きているようですので、本テキストでは V2 について解説します。

ISC DHCP の詳細については、

              http://www.isc.org/dhcp.html
をご覧下さい。



Noriyo Kanayama