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viでは、キーボードのキーは2つの役割をはたします。たとえば「a」というキー
は、「a」という文字をテキスト画面に表示するために押されますが、別の場合には、
もっと違った意味を持つ命令(コマンド)と解釈されます。
既に説明した、:(コロン)やZZも、そうしたコマンドの1つです。
キーがどちらの働きをするかは、viの「モード」が決定します。
これらのviの「モード」は、「挿入モード」と「コマンドモード」と呼ばれます。
viを使う時に最も大切なことは、この2つのモードをきちんと区別することです。
- 挿入モード
- 押されたキーの文字は、そのまま入力される。
- コマンドモード
- 各キーはテキストを操作する命令と解釈される。
挿入モードとコマンドモードを切り替えるには、次のようにします。
挿入モードからコマンドモードへ |
ESC キーを押す。 |
コマンドモードから挿入モードへ |
a、i などのキーを押す。 |
例えば、viに入った時には、必ずコマンドモードです。文字を打つためには、
a(またはi)を押して、挿入モードへ移ります。
逆に編集を終了する時には、必ずコマンドモードの状態になって、
ZZをしなくてはなりません。(でないと、画面にZZと表示されてしまいます。)
挿入モードへの入り方は何通りもありますが、どう使い分けたらいいのでしょうか?
最も基本的な a、i、o、O の4つについてまとめておきます。
- a
- カーソルの後に追加する。(行の末尾に追加する時は必ずa)
- i
- カーソルの前に追加する。(行の先頭に追加する時は必ずi)
- o
- カーソルの下に追加。(ファイルの末尾に追加する時は必ずo)
- O
- カーソルの上に追加。(ファイルの先頭に追加する時は必ずO)
o、O の時は、新しい行が作られます。もとの行の中で、どの場所にいたかは
関係しません。
また、a、i の変形として、A、I があります。
- A
- 行の末尾に移動して、挿入モードになる。
- I
- 行の先頭に移動して、挿入モードになる。
viでは、よく行われる操作はワンタッチで呼び出せるように設計されています。
Noriyo Kanayama