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先に述べたように、例えば、クラス C のサイトならば先頭の 24bit
がネットワークアドレスで、残り 8bit がホストID になりますが、
実際上一つの物理的なネットワークに
254 台を接続するのは稀です。
そのために使用されないアドレスが生じます。
また、
一つのネットワークに多くのマシンを接続しない理由として、
ブロードキャストストームが上げられます。
こうした事態をさけるためには、ネットワークを分割する必要がありますが、
先に述べたように IP アドレスを浪費せずに分割をしたいものです。
このような要求に応えるためのものが、サブネットと呼ばれる方法です。
例えば、クラス C のネットワークを4つに分割する事を考えます。
すると、ネットワークアドレスは、24bit ではなく、更にそれを4つに分ける
のですから、4=22 の 2bit 余分に必要ですので、24bit+2bit=26bit
をネットワークアドレスと見なすのです。この 2bit 分を
サブネットマスクと呼びます。十進表記だと、202.11.100.0 の
ネットワークの最後の 1byte の頭 2bit をサブネットマスクに取るので、
11000000(ニ進数)=27+26=192
がサブネットマスクになります。従って、全体の
ネットマスクは 255.255.255.192 になる訳です
(先頭の 3byte は全てマスクするので、
11111111(ニ進数)=255 )。
しかし、サブネットはあくまでも配布されたアドレスの分割であって、
他からみれば、一つのネットワークであることに注意してください。
ネットワークとネットマスクの対応関係は、Sun では /etc/netmasks に格納されて
います。
- 1.
- Classless Inter-Domain Routing (CIDR)
CIDR では、このサブネットを一般的にドメイン間の routing に拡張し、
同時にネットマスクを一定程度可変に取り扱えるようになっています。ネットマスクの
表記においては、従来 202.11.100.0/255.255.255.192 と書いていたものは、
202.11.100.0/26 と書きます。この場合、ネットマスクに 26 bit 使うという意味です。また、識別出来る限りにおいて、クラス C 以下に分割したネットワークを更に
分割する事ができるように、ネットワークの識別では最長一致をとります。
逆に、クラス C が複数必要なサイトに対しても、この CIDR を適用することで
対応が可能です。
CIDR は、IP の枯渇とともに、routing 情報の肥大化に対する現状での対応策であると
言えます。
- 2.
- IPv6
一方、こうした IP 資源の枯渇に対して根本的に解決するための方向が IPv6 です。
IPv6 では、現在 32bit の IP address が 128bit に拡張されます。今のところ、
IPv4 との相互接続などの実験段階にあります。ヘッダーは、現在使われていないものなどを廃止することで、現状と変わらない大きさになる予定です。しかし、まだ検討事項
が残されているなど、すぐには IPv6 が実用になるわけではなく、実用化されても
当面は IPv4 との併用となるものと考えられています。
Noriyo Kanayama