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3.3.2 chown,chgrp

UNIXでは、全てのファイル、ディレクトリーに 所有者と所属するグループが決まっており、スーパー・ユーザーを除けば、 通常は、ディレクトリーの所有者だけが、そのディレクトリー内にファイルを 作成することが出来ます。ですから、たとえ、パスワード・ファイルに登録 されている通りのディレクトリーが存在したとしても、その所有者が 他の人であったら、そのディレクトリー内では、ファイルをつくることも できないということがおこります。 逆に、一つのディレクトリに複数のユーザーを割り当てるのも、特別な理由が ない限りやめたほうが良いでしょう。(この点に関して、ユーザーID が同じ ユーザーを作ってはいけません。システムから見れば、ユーザーID が同じだと それは同一のユーザーであると見なされます。)

ホーム・ディレクトリーを作成したら、その所有者とグループを、ユーザーとそのグループに設定しなければなりません。これらのコマンドは、 スーパー・ユーザーのみが全てのファイル・ディレクトリの所有者やグループを 設定でき、次のような書式を持っています。

        chown  -R  user1     /home/sample/user1
        chgrp  -R  test      /home/sample/user1
または、
        chgrp  -R  51        /home/sample/user1

最後の例のように、ユーザー名やグループ名ではなく、ユーザーIDや、 グループIDを、直接指定できますが、これらのIDが必ず、/etc/passwd や、 /etc/group の中に、存在する必要があります。

${\tt -R}$ は、再帰的にそのディレクトリ以下のファイルや ディレクトリの属性を 引数に指定したとおりに変更する事を意味します。従って、${\tt -R}$を指定しないと、ディレクトリのオーナーなどは変更されても、その下のファイル などが変更されず、アクセス出来ないなどの苦情がユーザーからくる事になるので 注意しましょう。



Noriyo Kanayama