複数のホストからなるネットワークの管理上の領域を、ドメインと 呼びます(詳しくは、DNS の章で学びます)。 ドメイン名は、UNIXのファイル名と同じく、階層的な構造を持っています。 UNIXのファイル名と異なるのは、その句切り記号が、/(スラッシュ)ではなく .(ピリオド)であることと、最上位のドメインが、名前の一番右側に来ると いうことです。 次のものは、ドメイン名のサンプルです。
wakhok.ac.jp # jp は、japan, ac は、学術機関 jpnic.ad.jp # ad は、ネットワーク管理組織 riken.go.jp # go は、政府機関 ricoh.co.jp # co は、私企業 tokyo.or.jp # or は、公益法人、研究機関等 souya.ne.jp # ne は、ネットワーク機関(新しい命名規則) hokkaido.jp # 地域ドメイン
ネットワークに接続しない場合は適当にドメインを決めても構いませんが、 将来的にネットワークに接続するときに問題になったりするので、なるべく 標準的な名前を付けておいたほうが、後々のためには面倒がありません。
実は、後で学ぶ NIS (Network Information Service) でもドメインという用語を 使いますが、このドメイン名と DNS のドメイン名とは無関係ですので、 間違わないようにしないといけません。区別をはっきりさせるために、ここでは NIS のドメインを NIS ドメインと呼びます。 自ホストのドメイン名は、/etc/hosts に FQDN から決定される場合と、 DNS からの情報を元に決定される場合とがあります。 一方、NIS ドメイン名は、 SUNのOSでは、ファイル /etc/defaultdomain に入っており、boot 時にカーネルに 記憶されます。このカーネルの覚えている NIS ドメイン名は、domainname という コマンドで表示されます( root で、domainname の引数に NIS ドメインを指定 することで、NIS ドメイン名を変更することも出来ます)。