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3.4.1 マップ

マップとは、NISサービスが提供するデータベースのことです。 通常、管理情報のデータベースは/etcディレクトリーに格納されていますが、 NISが起動されていると、システムは、/etc 以下のローカルなデータベースと NISのマップから情報を得るようになります。どちらが優先されるかは設定によります。

NISマップは、UNIXでよく使用されるndbm形式のバイナリデータベースとして、 /var/yp/domainnameというディレクトリーに納められています。 代表的なNISマップには、次のようなものがあります。

       ethers.byname              ethers.byaddr
       hosts.byname               hosts.byaddr
       passwd.byname              passwd.byuid
           .....                      .....

これらのマップはそれぞれ、 ethers.byname, ethers.byaddrは /etc/ethers に、 hosts.byname, hosts.byaddrは /etc/hosts に、 passwd.byname, passwd.byuidは /etc/passwd に対応しています。

マップの名前に、このようにbynameやbyaddrが付いているのは、 マップが基本的には、キー/値の組からなっていて、bynameは、 名前をキーにして値を得るマップであり、byaddrは、アドレスをキーとして 値を得るマップであることを意味しています。

ypcatコマンドを用いて、あるマップの値を見る事ができます。

  ypcat [mapname]

次の最初の二つのコマンドは、同じ働きをします。 こうした時、passwdをpasswd.bynameの ニックネームと呼んでいます。 三番目のコマンドは、キーと値の両方を出力します。 また、四番目のコマンドは ypcat でどのようなニックネームが使えるかを 表示します。



Noriyo Kanayama