next up previous contents
Next: 4.2 NFSとは Up: 4. NFSとオートマウント Previous: 4. NFSとオートマウント

4.1 UNIXのファイルシステム

UNIXシステムのファイルシステム全体はルートディレクトリから 始まる木構造をなしています。この点はWindowsやMacOSと似ていますが、 Windowsとは違いドライブという概念はありません。 詳しいことは付録を参照していただくことにしたいと思いますが、 UNIXのファイルシステムでは、全体がただ1つの木構造をなし、 各デバイス(ここでいうデバイスは、HD、CD-ROM、MOなどの物理的な記憶装置、 またはそれを論理的にいくつかに分割したものを意味します。 要するにWindowsでドライブとして扱われている単位と思って いただければよいでしょう)は、この1つの木構造の各枝の部分を構成することに なります。 例えば、典型的なSolarisのファイルシステムの構成は次のようになっています。

\epsfile{file=filesys1}

この図でそれぞれのディレクトリのデータを保持している実際の物理的なデバイスは、 Solarisでもっとも普通に用いられるUFSファイルシステムで構成された ハードディスクや、ISO-9660にRockRidge +Extension形式で作られたCD-ROM、 あるいはWindowsで使用されているFATで構成されたハードディスクで あったりするわけです。 これらの性格の異なるファイルシステムを結合し、一本のディレクトリツリーに まとめる操作をマウントと呼びます。 これを行なうのはmountコマンドであり、rootのみがこのコマンドを使用して ファイルシステムの結合を行ないます。 mountコマンドの詳細については付録を参照して下さい。

このようなファイルシステムの中の一つとして、UNIXシステムではネットワーク上に 存在する他のUNIXシステムのハードディスクを利用することができるように なっています。Windowsなどでいうネットワークドライブですが、 これをNFSと呼んでいます。あるマシン(NFSサーバ)のあるディレクトリを別の マシン(NFSクライアント)が自分のディレクトリツリーのどこかに NFSマウントすることにより、クライアント側からサーバのファイルシステムが 利用可能になるわけです。 UNIXワークステーションは、NFSサーバとクライアントのいずれか、 または両方になることができます。



Noriyo Kanayama