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4.2 NFSとは

NFSは、ネットワーク・ファイルシステム(Network File System)の略です。 これは、Sunが開発した、TCP/IPネットワーク上でワークステーション同士が 相互のファイルシステムを利用できるようにするための規格です。 SunはNFSの仕様を他のベンダーにも公開しているため、NFSはほとんどすべての UNIXで相互に利用可能なデファクトスタンダードとなっています。 PCの世界でもWindows95の普及などによりネットワークを介したファイルの共有が 一般化してきていますが、UNIXワークステーションではこれは必須の機能の一つです。

NFSは、他のローカルファイルシステムと同じく、ファイルシステムの一種として 実装されています。このため、NFSを利用している場合、ユーザにとっては ローカルなディスクを読み書きするのと、離れた場所にあるマシンのディスクを 読み書きするのと何の違いもありません。 このような透過的なネットワークを構成することができるのが NFSの特徴です。

NFSを使うことには、多くの利点があります。NFSの利用によって、同じファイルを 複数のマシンからアクセスすることが可能になるため、ディスクスペースの節約に つながる、またデータを一箇所に集中できるため、管理が簡単になるなどです。

なお、最近のようにUNIXワークステーションとPC環境とが同一LAN内に混在することが 普通になってきますと、UNIXワークステーション側とPCの側とでの資源の共有、 相互運用といった点が重要になってきます。しかし、PCとUNIXとでは、 そのままではネットワーク上でのファイル利用のためのプロトコルには全く互換性が ありません。このような条件下では、UNIXワークステーションがPC に合わせるか、 逆にPCがUNIXに合わせるかのいずれかの方法をとらざるを得ないわけですが、 前者が最近よく利用されているフリーソフトのsamba、後者がPCをNFSの クライアント化するPC-NFSのパッケージということになります。 sambaなどは各種のUNIXで使用でき、インストールも簡単で安定して動作する 非常に素晴らしいパッケージと言えるでしょう。 これらについての資料は、現在はWWW上で検索すれば容易に調べることができますし、 sambaについては講座の最終日に紹介します。

実際にNFSを運用する場合、そのファイルシステムを提供する側(NFSサーバ)と ネットワークを介してそのファイルシステムにアクセスするNFSクライアントとの 両方で設定が必要になります。 以下で、サーバ側とクライアント側で必要な設定について述べることにします。



 

Noriyo Kanayama