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Next: 5.3 新しいディレクトリの作成、ファイルのコピー、ファイルの移動 (名称の変更)、ファイルのリンク、ファイルの削除 Up: 5. ファイル管理・ユーザ管理に必要なコマンド Previous: 5.1 システム管理者としてコマンドを使う際の注意

5.2 カレント・ディレクトリの表示、ファイルの一覧・情報の表示、 ディレクトリの移動

ファイルの管理のために必要なことは、第1に、現在作業をしているディレクトリ (カレント・ディレクトリという)を常に意識をしておくことです。

$ pwd

はカレント・ディレクトリを絶対パスで表示します。
lx$ pwd 
/home/net/staff4/himemiya/public
lx$

ファイルの管理のために必要な第2のことは、カレント・ディレクトリに あるファイルの状態を知ることです。

$ ls

はカレント・ディレクトリにあるファイルの一覧を表示します。
lx$ ls 
Souya@          girls           j_actress       mytail_test.c   st
a.out*          inv.tex         lovemedo        puzzle/         st95+
f_actress       iware           main.c          qsort.c         st95.master
gals            j_act2          main2.c         read.c          write.c
lx$

ls では、.で始まるファイル名のファイル(普通、各ユーザの ホーム・ディレクトリに置かれる)は表示されません。それで、 すべてのファイルを表示したい場合には、-a のオプションを指定します。

$ ls -a

ls で表示されるのはファイル名だけですが、詳しいファイルの情報を知りたい ときには、

$ ls -l

を使います。-a のオプションと組み合わせてすべてのファイルの詳しい情報を 知りたいときには、 ls -la とします。 次の主力例は、ls -l のもので、日本語で示したフィールドは本来 出力されないものですが、それぞれの欄の意味を示します。
lx$ ls -l
total 62 (ブロック数)
(モード) (リンク)(所有者) (サイズ)(内容の修正時刻) (ファイル名)
lrwxrwxrwx   1 himemiya       39 Jul 17 12:08 Souya -> /home/net/staff4/himemiya
/c/qsort/Souya
-rwxr-xr-x   1 himemiya     6440 Jul 17 11:47 a.out*
-rw-r--r--   1 himemiya      124 Apr  2  1996 f_actress
-rw-r--r--   2 himemiya      594 Apr  2  1996 gals
-rw-r--r--   1 himemiya      594 Apr  2  1996 girls
-rw-r--r--   1 himemiya     1361 Apr  2  1996 inv.tex
-rw-r--r--   1 himemiya      514 Apr  2  1996 iware
-rw-r--r--   1 himemiya       54 Apr  2  1996 j_act2
-rw-r--r--   1 himemiya       54 Apr  2  1996 j_actress
-rw-r--r--   1 himemiya      513 Apr  2  1996 lovemedo
-rw-r--r--   1 himemiya      546 Apr  2  1996 main.c
-rw-r--r--   1 himemiya      554 Apr  2  1996 main2.c
-rw-r--r--   1 himemiya     1862 Apr  2  1996 mytail_test.c
drwxr-xr-x   2 himemiya      512 Jul 17 11:46 puzzle/
-rw-r--r--   1 himemiya      808 Apr  2  1996 qsort.c
-rw-r--r--   1 himemiya      842 Apr  2  1996 read.c
-rw-rw-r--   1 himemiya     7327 Jun 21  1996 st
-rw-r--r--   1 himemiya    12721 Apr  4  1996 st95+
-rw-r--r--   1 himemiya    16767 Apr  4  1996 st95.master
-rw-r--r--   1 himemiya      131 Apr  2  1996 write.c
lx$

ここで、ls -l の出力の読み方を説明しましょう。 左端のたとえば、-rw-r-r- はファイルのモードを表します。 2番目のフィールドに出てくる 12 の数字はリンク数を表します。 3番目のフィールドはファイルの所有者を表しています。 4番目の例えば 6440124 の数字はファイルのサイズをバイト数で 表しています。 5、6、7番目のフィールド・たとえばJul 17 11:47Apr 2 1996 はファイルの内容が最後に修正された時刻を表しています。 最後がファイル名ですが、Souya -> /home/net/staff4/himemiya/c/qsort/Souya となっているのはソフト・リンクです。(これは、また、説明します。)

最初のフィールドのファイルのモードについては、さらに説明が必要です。 -rw-r-r- (たとえば、f_actress) や -rw-rw-r-(st) や-rwxr-xr-x(a.out)のように、10桁の欄の内最初の文字が - のものは、普通のファイルを表します。drwxr-xr-x(puzzle) のように 10桁の欄の内最初の文字が d であるものはそのファイルが ディレクトリ であることを示します。lrwxrwxrwx(Souya)のように 10桁の欄の内最初の文字が l であるものはそのファイルがソフト・リンクに なっていることを表します。ファイル名の箇所で、 -> /home/net/staff4/himemiya/c/qsort/Souyaとあるのはそのリンク先が /home/net/staff4/himemiya/
c/qsort/Souyaであることを示します。

ファイルのモードの残り9桁は、3桁づつ順番に、ファイルの所有者・ ファイルの所有者と同じグループの者・他人がファイルへアクセスできるかどうかの パーミッションを「読み」 r 「書き」 w 「実行」 x について 順番に示しています。パーミッションがないものは
- で表示されます。 -rw-r-r-は、ファイルの所有者がそのファイルを「読み」「書き」することが でき、同じグループのものと他人が「読む」ことができることを示しています。 -rw-rw-r-は、ファイルの所有者と同じグループのものが、 「読み」「書き」することができ、他人が「読む」ことができることを示しています。 -rwxr-xr-xは、ファイルの所有者がそのファイルを「読み」「書き」「実行」 することができ、同じグループのものと他人が「読み」「実行」する ことができることを示しています。

後で述べますが、このパーミションのモードは変更することが出来ます。 (変更することが是非とも必要な場合があります。)

なお、通常のファイルでリンク数が 2 になっているファイル(gals)は、 ハード・リンクされているのですが、ハード・リンクとソフト・リンクの違いはあとで 述べます。

特定のファイルの情報を知りたいときには

 
$ ls -l ファイル名

とします。

最後に、ディレクトリを移動したいときには、

$ cd ディレクトリ名

とします。移動先のディレクトリ名は相対パス名か絶対パス名で指定します。



Noriyo Kanayama