例えば、前節の階層マウントの場合などでも、
サーバを複数指定した例
# automount map for /usr/openwin openwin -ro \ / newkamui,sparc06,sparc07:/usr/openwin \ /man sparc03:/usr/openwin/share/man\ sparc04:/usr/openwin/man
のようにすることができます。
この場合、/usr/openwin
のデータは、newkamui、sparc06、sparc07の
うちもっともレスポンスの早いマシンから、また/usr/openwin/man
に
ついてはsparc03の/usr/openwin/share/man
またはsparc04の
/usr/openwin/man
のいずれかの早く応答した方から
マウントされることになります。
さらに、必要ならばサーバ毎に優先順位を指定することが可能です。この場合、
サーバ名の後に続けて( )
で囲って優先度を指定します。優先度は0以上の
整数値で指定し、0がもっとも優先され、数値の大きいほど使用されにくくなります。
指定しない場合は、優先度0として扱われます。
ただし、この優先度よりもネットワーク的な距離の方が優先されます。 IP的に同じネットワーク上にあるものがまず優先的にサーバとして使用され、 その中で優先度による選別が行なわれます。上のマップに優先度を指定してみましょう。
各サーバの優先度まで指定した例
# automount map for /usr/openwin openwin -ro \ / newkamui,sparc06(1),sparc07(2):/usr/openwin \ /man sparc03:/usr/openwin/share/man\ sparc04(4):/usr/openwin/man
もし上の例で、クライアントもサーバも同じネットワーク上にあれば、 優先的に使用されるのはnewkamuiとsparc03ということになります。 しかし、クライアントと同じネットワーク上に存在するサーバが sparc07とsparc04だけであれば、優先度の指定に関係なく、 これらのもっともネットワーク的に近いサーバが使用されることになります。
一つ注意しておかなければならないのは、このように複数のサーバを指定しても、 これらの間での選択が行なわれるのはマウント要求が発生した時点であり、 いったんマウントされてしまったら、タイムアウトするまでサーバが 変更されることはありません。 したがって、2台のサーバを用意して、交互にメインテナンスを行ない 両方合わせて無停止で運転を行なおうと考えても、ユーザがいない時間帯には 任意の一方のサーバを停止できますが、実際にユーザがサーバを 使用している時間帯には、マウント中のサーバを止めればユーザは やはりしばらく作業不能になることは避けられません。