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8.3 その他の注意

CML は非常に簡単な ML 管理ツールですが、一つ問題があります。 それは、他の管理ツールと違い、root 権限や、特別な管理用ユーザアカウントを 発行せずに、一般ユーザーの権限で管理ツールを動かすために、sendmail の特殊 な機能を使っているからです。 その機能とは、include から動かされたプログラムのオーナーは、そのファイルの 所有者に変更されるという機能です。これは特殊なものであるために2つの問題 があります。

一つは、OS によってはこの機能を利用できないものがあるようです。 CML に付属の FAQ に対処方法が書かれていますが、対処不可能な場合もあります。 従って、その場合には他の管理ツールを使うしか道はありません。

ニつ目は、sendmail 8.9.x 以降、この include についての制限が強化されている 事による問題です。その強化とは、include されるファイルは所有者以外の書き込み が出来てはならないという事です。もし、include されるべきファイルが所有者以外 が変更できたならば、様々な問題が生じるであろうことは容易に想像できます。 つまり、other での書き込みは論外としても、group での書き込みが可能であっては ならないのです。そのために、group で ML を管理することが難しくなります。 この場合は仕方がないので、別にアカウントを作成し、グループで共有するように する他はないでしょう。とはいえ、CML-3.0 からはメイルを使って ML を管理出来る ようにもなっているので、group で共有する必要性はそれ程高くないでしょう。 一方、sendmail のこのセキュリティ上の強化を、 弱めるようにすることは出来ますが、あまり薦められませんし、上述したように 必要性も低いでしょう。

その他
sendmail 8.7.5 からは、Trusted User が復活しています。そのために、 CML を単純に利用すると mail に warning が付加されます。これを取り除くには、 CML が動いているマシン上の sendmail.cf の T から始まる行に、CML の オーナーを追加しなければなりません。CF でも設定が可能です。



Noriyo Kanayama