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8. メイリングリスト

メイリング・リストは言わば、NetNews のメイル版です。NetNews との違いは、 NetNews が不特定多数を対象としているのに対し、メイリング・リストは参加者が 特定されている点にあります。システム的には、NetNews は専用のソフトを要するのに 対して、メイリング・リストは aliases に複数のアドレスを書くだけで対応出来、 簡単です。しかし、この場合には、人間が手で管理しなければならない事になり、 多くの参加者が出入りする場合には大変です。 このために、管理をするためのソフトが色々と作られています。 管理ツールの機能の基本は、メイリングリストへの入会・脱会の自動化、管理ツール、 過去のメイルの蓄積と閲覧機能 等の提供ですが、大筋は aliases の include 機能を使うことで実現されています。 include 機能とは、aliases に直接送り先を書くのではなく、aliases では特定の ファイルを指定しておき、そのファイルの中身を実行時に取り込む機能です。 実際には、このファイルの中に送り先が列挙されていたり、プログラム が指定されていたりします(これは管理ツールによって少しづつ違います)。

現在、良く知られているものとしては、

majordomo + distribute
最も有名だが、設定が厄介な事でも有名
CML
最もシンプル
fml
cml のように簡単設定であるが、機能は多い
smartmail
procmail に付属していたが独立。複雑、多機能

などがありますが、非常に多数のメールが飛び交うメイリングリストでない限り、 最初は CML を筆者はお薦めします。 CML はシェルスクリプトで書かれており、多くのマシンで 稼動すること、管理者以外でもメーリング・リストを管理出来ることが特徴です。 CML で不満が出て来れば、fml などの他のソフトを試せば良いでしょう。 また、CML と fml では、前者がシェルスクリプトなのに対して、後者は perl スクリプトなので fml を利用するためには perl を導入しなければ なりません。機能的には、fml の方が便利なものがたくさん付いており、 高速であるとされていますが、perl が高速に動く環境が必要です(perl は メモリを大量に使います)。一方、CML はシェルスクリプトで開発されているので、 機能的には fml に見劣りしますが、poor なマシンでもそれなりに動くこと、 ちょっとしたハッキングで手を入れられるなどの利点があります。 但し、CML が利用できない OS がある場合もありますので、その場合には 他のツールを使わなければならないでしょう(これについては後程詳しく説明 します)。 また、CML で運用する場合で、メイルの章で述べたような内部再配送方式の メイル運用をしている場合は少し注意が必要です。これについても後程詳しく 述べます(他のツールでも多くの場合同じ問題があります)。



 

Noriyo Kanayama