next up previous contents
Next: 2.3.3 その他の規格 Up: 2.3 イーサネット Previous: 2.3.1 バス共有型

2.3.2 ケーブル

物理的には、 Ethernet で用いるケーブルは、10BASE5, 10BASE2, 10BASE T があり、前者の 2つは同軸ケーブルで、後者はツイストペア(電話線に使われるものとは、 芯線の数が違います)です。10BASE5 は、ホストとの接続にトランシーバー と呼ばれるものが必要で、ホストの増設には少し不便です。10BASE2 は、 各マシンを数珠つなぎにつないで行きますので、接続は簡単ですが、接続時に ネットワークを落とさなければならないという欠点があります(短時間に繋げば、 大丈夫だったりしますが)。 また、10BASE5と 10BASE2 の違いは、物理的には芯線の太さが違いますが、 現実的には、物理的最大長が違います(10BASE5 は 500m 、10BASE2 は 150m)。 これを超える場合はリピーターが必要になります。 10BASE5 と 10BASE2 の選択基準は規模で判断すれば良いでしょう。コスト 的には 10BASE2 が3つのケーブリングの中ではもっとも安価で、工具 さえあればすぐに自作出来(但し、半田つけはやめましょう)、 規格を守ればケーブルも安価なものが入手出来ます。 規模的に、10BASE5 が必要なサイトでも、マルチポートハブを 導入することで、10BASE5 に 10BASE2 をつなぐ事が出来ますが、10BASE5 と 2 を併用することは今後少なくなって行くでしょうし、後述するように更に早いネット ワークの構築には不利な側面もあります。

一方、ツイストペアケーブルによる接続では、ハブが必ず必要です。近年、 このハブの値段も下がって来たので、小さなネットワークではこれが主流になり つつあります。また、ケーブルも安く販売されていますし、工具があれば自作する 事も簡単です。10BASE2 との価格差はハブだけだと言っていいでしょう。 ツイストペアケーブルによる接続の大きな利点は、ホストの増設が簡単な点と スイッチング・ハブによるバンド幅の確保や、100BASE や Gigabit Ether などへの アップグレードが容易な点にあります。 ツイストペアによる接続では、ネットワークをダウンさせることなく、 ハブのポートがあればツイストペアの 接続(電話線のプラグと同じ)だけで物理的接続は終わります。ハブ間の接続には 通常10BASE5 又は 10BASE2 を使いますが、ハブとハブを繋ぐことも可能です。この 場合は、送信と受信の線がクロスした通称クロスケーブル(リバースケーブル) を使用します。ハブによっては、あらかじめ内部的に結線を入れ替えたポートを 用意しているものもあります。しかし、その際においても物理的総延長を越える ことは出来ませんし、規格上はハブは1セグメントに4つまでです。従って、 これを越える場合には注意が必要です(もちろん、これ以上接続してはならない 訳ではなく、保証されていないだけです)。ルータを入れている場合は、 この限りではありません。

いずれにしても、各自のサイトの規模、 および将来的な拡張を充分考慮して、ケーブリングを考える必要があります。



Noriyo Kanayama