Next: 14.3 その他の問題
Up: 14.2 Samba の導入
 Previous: 14.2.2 services への登録など
 
Samba server は非常に多くのオプションを持ち、ここで全てを解説することは
不可能です。しかし、簡単な設定で一度動かし、それから徐々にオプションを
増やしていけば良いでしょう。オプションの解説は、docs/ を見るか、先程の
URL を参照して下さい。特に、日本のサイトには、日本語マニュアルや
設定例、FAQ などがあるので参考にして下さい。
以下では、非常に簡単な設定ファイルの例を上げます。
samba-xxx/samples/smb.conf.default を参考に書き換えて行けば良いでしょう。
[global]
   workgroup = WORKGROUP
   server string = %h Samba Server %v
   hosts allow = 202.11.98.145,202.11.98.146,202.11.98.147,202.11.98.148,202.11.
98.149
   load printers = yes
   printing = sysv
   printcap name = lpstat
   printer name  = lp
   log file = /pub/samba/var/log.%m
   log lebel = 1
   max log size = 1000
   security = user
   password level = 8
   socket options = TCP_NODELAY 
   wins support = yes
   browseable = yes
   preserve case = yes
   short preserve case = yes
   case sensitive = no
   coding system = euc
   client code page = 932
   wide links = no
   hide dot files = yes
   getwd cache = yes
[homes]
   comment = Home Directories
   browseable = no
   writable = yes
   create mode = 0640
   public = no
[printers]
   path = /tmp
   printable = yes
   public = no
   writable = no
   create mode = 0700
   browseable = no
各々簡単に必要な箇所のみを説明します。
- [global]
 - 全体のデフォルト設定を書くためのセクションです。
 - workgroup =
 - サーバのサービスするグループ名称です。
 - server string = 
 - ブラウズしたときに表示されるサーバの詳細説明です。マクロは、様々なオプション
箇所で利用できますが、ここでは、
%h:ホスト名と %v:samba の
バージョンを使用しています。
 - hosts allow =
 - アクセスを許すホストを列挙します。この部分には多くの書き方が許されていますが、
この例では、一々ホストを列挙しています。ネットワークを許可する場合には、
202.11.98. のように書く事が出来ます。更に、マスクを入れる場合には、
202.11.98.0/255.255.255.224 のように書けます。逆に、hosts deny を
用いて、アクセスを拒否する書き方と併用も出来ます。
 - load printers = yes
 - printing = sysv
 - printcap name = lpstat
 - printer name  = lp
 - プリンタを使用可能にします。
 - log file = 
 - 通常は、/usr/local/samba/var/ に log.nmb, log.smb の名称でログが
取られますが、ユーザやマシン毎にログを取りたい場合に利用します。
%m はクライアントマシンです。ユーザ毎に取りたい場合には、
%u を用います。
 - log lebel =
 - ログのレベルを指定する。デバッグ時には大きな値を利用すれば良い。
標準では、3 が指定されている。
 - max log size =
 - ログのファイルの大きさの上限を指定する。キロバイト単位。0 を指定
すると無制限になる。制限を越えた場合は、現在のログを .old に変更
し、新しいログを作成する。
 - security = user
 - セキュリティに関係するが、Unix にアカウントを持つユーザへのサービス
を目的とするならば、user で良い。
 - password level = 8
 - クライアントマシンによっては、パスワードとして大文字しか送らない
場合がある。Samba では、パスワードを順に大文字、小文字を変化させて
トライする。この際の、トライの文字数を指定する
(従って、セキュリティが下がるわけであるが、現在の所
致し方ないと思われる)。通常、Unix ではパスワードは8文字までなの
で、8を指定しておけば良い。
 - wins support = yes
 - WINS サーバをエミュレートする場合に指定する。同じネットワーク上に
2つあってはならない。
 - browseable = yes
 - ブラウズリスト中の有効な共有一覧に表示をさせても良い場合に指定する。
通常は、[global] セクションでは指定し、[homes] セクションで
禁止すれば良い。
 - preserve case = yes
 - short preserve case = yes
 - case sensitive = no
 - 大文字・小文字に関係する部分。詳細は、docs/ を参照。
 - coding system = euc
 - サーバ上で利用する漢字コードを指定する。但し、変換は
完全でない事が報告されている。一方、cap を用いている場合
には、cap を指定する。
 - client code page = 932
 - 日本語コードを用いる場合の指定。
 - wide links = no
 - ディレクトリの外部へのリンクの許可の指定。
 - hide dot files = yes
 - 先頭がドットで始まるファイルを隠す場合の指定。
 - getwd cache = yes
 - キャッシュに関する指定。
 - [homes]
 - ユーザのホームディレクトリに関する指定のためのセクション。
 - comment = 
 - ブラウズした際の説明文にあらわれる。
 - browseable = no
 - ユーザのホームディレクトリは一般には一覧不可にする。
 - writable = yes
 - 書き込み許可。
 - create mode = 0640
 - ファイル作成時のモード。
 - [printers]
 - プリンタサービスのためのセクション。
 
 
Noriyo Kanayama