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2.6 rcファイル

プロセス番号1のinitプロセスは、/etc/inittabファイルの記述に従って端末 からのログインプロセスを起動すると共に/sbin/rc0から/sbin/rc6までの各シェルスクリプトをそのランレベルに応 じて実行します。そしてこれらのrc$\ast$スクリプトは、/etc/rc$\ast$.dディレクトリ下の KまたはSで始まる名前のファイルを実行します。実際の各種プロセスの起動は これらKファイル、Sファイル中で行なわれるわけです。これらを総称してrcファイル と呼んでいます。

管理者が新しいソフトウェアをインストールし、そのプロセスをシステム起動 時に自動的に立ちあげておきたい場合は適当な名前のSファイル、Kファイルを 作成してその中に記述しておくことになります。

BSD系のOSでは各種のプロセスの起動は/etc/rc、 /etc/rc.localといったファイル中でまとめて記述しますが、SYSTEM V系では 一つの処理に対応して一組のKファイル、Sファイルを用意します。 2.6 これらのKファイルまたはSファイルは、制御の順番がすぐ分かるように、Kま たはSの後ろに、2桁の数字がつけられています。処理の内容を表す名前は、 その後ろに付けられています。

たとえば、ランレベル2に対応する /etc/rc.dの中には次のようなファイルが あります。

K20lp           S05RMTMPFILES   S71rpc          S75cron         S92volmgt
K60nfs.server   S20sysetup      S71sysid.sys    S80PRESERVE     S94wnnv4
K65nfs.client   S21perf         S72autoinstall  S80lp           S99audit
K92volmgt       S30sysid.net    S72inetsvc      S88sendmail
K94wnnv4        S47asppp        S73nfs.client   S88utmpd
README          S69inet         S74autofs       S90loc.ja.cssd
S01MOUNTFSYS    S70uucp         S74syslog       S90loc.ja.kmod

このうち、S94wnnv4というファイルはフリーソフトのかな漢字変換システム Wnnの変換サーバを起動するためのもので、後で付け加えたものです。内容は

#
# wnnv4 start-up and termination
#
case "$1" in

'start')
    # Start Wnn version4 jserver:
    if [ ! -x /usr/local/bin/Wnn4/jserver ];then
        echo "Wnn version 4 startup: cannot start"
        exit 1
    fi
    /usr/local/bin/Wnn4/jserver > /usr/local/bin/Wnn4/jserver.log 2>&1 &
    ;;
'stop')
    # Stop Wnn version4 jserver:
    if [ ! -x /usr/local/bin/Wnn4/wnnkill ];then
        echo "Cannot find wnnkill"
        exit 1
    fi
    /usr/local/bin/Wnn4/wnnkill localhost
    ;;
esac

というものですが、引数にstartを与えて起動するとWnnのjserverを(存在を確 認してから)起動し、引数にstopを与えた場合はwnnkillコマンドを使用して jserverを終了させていることが分かります。



 

Noriyo Kanayama