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3.8 クライアントのセットアップ

さてスレーブ・サーバーの設定を説明する前に、 クライアントの設定法を先に説明しましょう。 というのもスレーブ・サーバーの設定を行うためには、 サーバーからマップ情報を受け取るために、 まずクライアントにならなくてはいけないからです。 ここはサーバーのセットアップの domainname コマンドの使い方を 参照して同じように設定してください。

クライアントのセットアップも ypinit によって行います。 以下のように -c オプションを付けます。

        /usr/sbin/ypinit  -c

すると ypinitは、サーバーの名前を尋ねてきます。 ここでは、必ずしもドメイン内の全てのサーバーを登録する必要はありません。 そのクライアントがサービスを提供してほしいサーバーを順に リスト・アップするのです。したがって、通常はネットワークの接続で 物理的に近い順に適当な数のサーバーを指定してください。 ( ypbind が立ち上がる時には、まだ NISのサービスを利用できない状態のはずですから、 サーバーのIPアドレスはローカルな /etc/hosts に登録しておかねばなりません。) ypinit は、/var/yp/binding ディレクトリの下にドメイン名と同じ 名前のサブ・ディレクトリを作り、 その中の ypservers というファイルにサーバーのリストを記憶します。 設定が終わったら、マシンを立ち上げ直すか、あるいは 次のようにデーモンを手動で起動してください。(すでにypbindプロセスが起 動されていた場合は一旦killしてから起動し直してください) しかし、デーモンを手動で起動した場合には、以前の記憶が残っている場合が あります。そのために、sendmail などの実習前に一度はリブートをしておかないと いけません。

        /usr/lib/netsvc/yp/ypbind

ここで、希望のサーバーに NIS が bind しているかどうかは、ypwhich コマンドで確認することが出来ます。

        ypwhich

但し、一度目はうまく行かない事がありますので、最低2回は実行して見てください。

ファイルypservers は絶対必須というわけではありませんが、 ファイルが存在しなければ、ypbind はブロード・キャストによって 最初に返答をしたサーバーからサービスを受けるようになります。 セキュリティ上の観点からは、ypserversファイルを作成し、間違いなく指定 したサーバからサービスを受けるようにするべきでしょう。

ypinit -c による設定は、純粋なクライアントだけではなく、 サーバーに対しても行う必要があります。 サーバーのマシンにも ypbind が走り、 サービスを受けることには変わりはないからです。

スレーブ・サーバーの ypservers に記憶させるホスト名は、自分自身から始めて物理的に近い順に 指定してください。



 

Noriyo Kanayama