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UNIXのファイルシステムは、/(root)を起点とした、階層的な構造(木構造)をし
ています。これをディレクトリツリーといっており、すべてのファイルは、この
木構造の中での位置に対応した名前(パス名)を持っています。UNIXには、MS-DOS
のような「ドライブ」という考えはありません。あるファイルが、どの物理的な
ディスクに格納されていても、ユーザーはそのことを意識する必要はなく、ディ
レクトリツリーの中での一意的な名前付けが行われます。
実は、我々がUNIXのファイルシステムと考えているものは、複数のファイル
システムから、単一の木構造をなすように、「マウント」という、いわば
「継ぎ木」にあたる操作で、2次的に再構成されたものなのです。マウントの対
象となる元のファイルシステムは、物理的なディスクの複数のスライスに対
応しています。多数の物理的なディスクをかかえたUNIXシステムでも、マウント
の操作を繰り返すことによって、システム上に単一のディレクトリツリーが構成
されます。
Noriyo Kanayama