これまで入出力は、標準入出力を用いてきた。すなわち、標準入力は通常は キーボードに、標準出力はディスプレイに関係づけられていたが、パイプや リダイレクトを用いる事でファイルなどに切り替えることも出来た。しかし、 常にこうしたパイプやリダイレクトを用いなくてはファイルにアクセス出来ない のでは困る場合も生じる。例えば、複数のファイルに読み書きを行いたい場合 を想定すれば、直に標準入出力だけでは対応出来ないことが分かる。勿論、 標準入出力があるということは非常に便利な事であるのだが (複数のコマンドをパイプ などで繋げて利用するというUnix的な利用の根幹部分になっているのだが)、 それ以外の場合も当然あり得る訳である。本章では、ファイル入出力の基本に ついて扱うことにする。