これまで我々は整数しか扱ってこなかったが、今回は実数を扱おう。
(もっとも金利計算などで、詳しく説明せずに、1.03 などと使って
きた。)
数学的には、実数には色々な種類がある。分数で表せる有理数、
有理数の中にも、有限な桁の小数で表せられる有限小数(0.123)と
有限な桁では表せられない循環小数()
があり、一方有理数で表せられない
無理数( 例えば
)
なども存在する。しかし、人間は有限な存在であり、従って
無限のものは扱う事は出来ず、有限なものを扱う事が出来るだけである。
確かに、コンピュータは高度な科学技術の産物であるが、有限な人間の
作ったものである以上、やはり有限な存在で、無限のものを扱う事は
出来ないのである。要するに、コンピュータは無限の数値を扱う事は
原理的に出来ない。従って、コンピュータ上の実数もそうした有限の
範囲で実現されなければならないが、C 言語で使える実数は小数に限定
されているので、有限小数しか扱えない。更に、数学で有限小数とい
うと、有限でありさえすれば100万桁あっても有限なのだが、
コンピュータではこれは非現実的である。通常、多くの言語では、
数桁から十数桁程度しか扱う事が出来ない。そういう意味で、計算機の
扱う実数は、近似的なものでしかないのである。