都市や地域の環境から有用な情報を得て現状を把握し、将来に向けて検討する研究に取り組んでいます。
振り返ると、高校生の頃にこのような分野についての本に出会ってから関心を持ち始めました。
いろいろな問題を抱える街において、地域の住民やさまざまな分野の専門家が協力して、環境を改善して行く過程が紹介された本でした。
環境を把握し、将来を検討するという考え方が適用できるのは都市問題に限りません。その後、地球規模の環境問題を対象とした研究に取り組み、今はさまざまなスケールの地域課題に関する活動をしています。
ここで、一例を紹介します。
北海道による最新の津波浸水想定に基づいた「稚内市津波ハザードマップ」が作成されました。こうしたハザードマップ(被害予測地図)や防災マップは、各市町村で整備が進められています。
このハザードマップをもとに、ご自身のお家から避難場所までの経路を確認することを考えてみましょう。災害が発生したとき、避難場所までの経路は現在と同じ状況でしょうか。
このような問題意識を持ってあらためて避難経路を歩いてみると、災害時にはさまざまな物が通りやすさに影響を与えるかもしれないことに気づくことがあります。
こういった詳細な情報を書き込むとき、現在はコンピュータを用いて地図を活用する技術が進んでいます。こうした技術を活用して、地域の方々が避難経路を点検することができるシステムについて研究しています。