大学で学ぶ数学は大きく分けると、代数学・幾何学・解析学・応用数学に分かれます。本学には2名の数学教員が在籍しており、それぞれの専門分野は次のようになっています。
専門:超平面配置
四角い豆腐に包丁を真っ直ぐに3回入れて切り分けると、何個に分かれるでしょう?上から平行に3回包丁を入れると4つに分かれますし、上から2回平行に入れて真横から1回入れると6つに分かれます。切り方によって何個に分かれるかが違ってきますが、最大何個に分けることができるでしょう?
超平面配置はこのようなとても単純な問題から始まる数学で、超平面という平面を一般化したものをある空間内に配置したときに何が起こるかを研究する分野です。私は代数学からこの分野を扱っていますが、超平面配置は幾何学や組み合わせ論など様々な分野と密接に関わっています。
専門:サブリーマン幾何学、幾何学的制御理論、特異点論
猫は、逆さまの状態で落とされても、上手に宙返りをして着地することができます。猫たちはどうやってこれを実現しているのでしょうか。
物理現象の背後にはしばしばそれを説明する幾何学が潜んでおり、猫の宙返りは、例えばサブリーマン幾何学という枠組で捉えることができます。効果的に宙返りすることは、“猫の姿勢全体”を表す図形における最短経路を通ることとして理解されます。
猫の宙返りを説明する幾何学は、空間の中の障害物を避けて通る光の輝きや、トレーラーの動きの制御などと関係しています。私は解析学や代数学の手法を用いて、このような幾何学に現れる特徴的な性質を研究しています。
数学ゼミでは、2人の教員の専門のみを扱うわけではなく、学生の興味のある数学を一緒に学んでいきたいと思っています。基本的なセミナーの進め方としては、学生と相談して数学の専門書を選び、それを読んで、ノートにまとめて、毎週発表してもらいます。
過去の学生の例では、ガロア理論の本をゼミで勉強し、そのまとめとしてポスター(PDF)を作成しました。ガロア理論は、5次以上の方程式には解の公式が存在しないことや、角の三等分線が作図できないことの証明などに有用な理論です。
数学ゼミでは、ほかのゼミに正式に所属しながら、非公式に数学ゼミで勉強したいという学生の参加も歓迎しています。
例えば、教職ゼミに所属する学生で「教員採用試験対策をして欲しい」、「情報系のゼミでプログラミングを学ぶのに必要な数学を勉強したい」、といった学生の要望にも対応しています。また、数式をPCで綺麗に書けるTeXというシステムの使い方を知りたいという学生がいれば講習会を開きます(特に数学教員を目指す人には、テスト作成のときに非常に便利なシステムです)。
ほかにも、数学検定の対策をして欲しい学生、所属のゼミと関係はないけども、単純に専門的な数学も勉強したいという学生は、お気軽にご相談ください。